同盟の仮面の下−中ロ同盟【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】
冷戦終結後、唯一の超大国であった米国の単独主義に対応するため、2001年7月に「中ロ善隣友好条約」が締結された。本条約は、相互不可侵、国境地帯での兵力削減、経済・軍事協力をうたっているが、前の条約にあったような自動参戦条項はない。それどころか、どちらか一方が攻撃を受けた場合にも「協議する」としか定められていない。日米安保条約のように(「それぞれの憲法上の規定に基づき」とはされているものの)「共通の危険に対処する」という定めとも大きな違いがある。2019年12月にロシアのプーチン大統領は「軍事同盟は非生産的で不吉なものだ。中国と軍事同盟を結ぶ計画はない」と述べているが、2020年10月には、計画していないとしつつも、「原則として排除するつもりはない」と含みを持たせている。最近の中ロ両国では、中ロの戦略的関係をさらに強化すべきとの発言が聞かれるようになってきた。1月19日に中国解放軍報が報じるところによれば、中国外交部報道官は「中ロの戦略的協力にはいかなる制限もなく、禁じられる領域もない」と述べている。
2018年9月に実施されたロシアの「ボストーク2018」は、ロシア軍の参加兵力が約29万人と冷戦後最大規模であっただけではなく、中国人民解放軍の約3,200人の人員、戦車やヘリコプター等が参加したことが注目された。さらにロシア国防省が公表したところによれば、対抗形式で、中ロが共同部隊を編成したとされている。同演習が実施されたロシア東部軍管区は、極東方面を主担当としており、対中戦も任務としていると見られてきた。中国人民解放軍の参加規模は限定的であったとは言え、友軍の一部として行動したことに大きな意味がある。中国にとって、最新装備に関する技術情報やその運用に関するノウハウ習得の絶好の機会というだけでは無く、米国からの圧力を分散させるという政治的な意味からも、中ロ戦略関係は重要となりつつある。
それでは、中ロ関係は今後益々深化し、かつての同盟関係に発展していくのであろうか。答えは「ノー」である。その理由は、ロシアの中国に対する抜きがたい不信感である。そもそも「中ロ善隣友好条約」の目的は、両国の長大な国境線における平和を確保することである。国境周辺の軍事力の削減がうたわれているのが、両国の長年にわたる相互不信を物語る。今後両国の同盟が進化するのかどうかを占う試金石と成り得る事例を三つあげる。
その第一は、ウクライナである。中国の空母「遼寧」はウクライナから購入したアドミラル・クズネツォフであることが知られているように、中国は多くの装備武器をウクライナから購入している。空母艦載機であるJ-15の元となったSu-33は、最新技術の流出の懸念からロシアとの交渉が暗礁に乗り上げ、ウクライナから同機の試験用機体を購入し、リバースエンジニアリングにより開発したものと推定されている。ロシアにしてみれば、Su-33開発に伴う投資を踏みにじられた形である。さらには、中国にとってウクライナは「一帯一路」の拠点でもある。ロシアは2014年にウクライナ紛争に乗じてクリミア半島を併合している。自らの勢力圏としているウクライナで中国が影響力を増しつつあることは決して歓迎しないであろう。
第二は、ベトナム沖の海底資源探査に伴う軋轢である。ロシアとベトナムは戦略的パートナーシップを発展させることに合意しており、経済的、軍事的に強い結びつきがある。ベトナム海軍はロシアからキロ級潜水艦6隻を購入することを決定している。中国と対立するベトナム沖の海底油田開発をベトナム国有会社とロシアの合弁会社が開発を進めており、開発がさらに進めば中ロ間の政治問題になりかねない。
第三は、北極海航路を巡る対立である。地球の温暖化が進み、北極海航路がアジアと欧州を結ぶ重要航路として浮上しつつある。中国はこれを「氷のシルクロード」として重要視している。2012年には砕氷船「雪龍」が北極点を通過、2013年と2015年の2回にわたり、中国海軍艦艇がオホーツク海を通過した。2015年には初めてベーリング海に進出、米国の領海内を通過するという行動に出ている。オホーツク海はロシアにとって戦略原潜の活動海域として聖域化を図りたい地域である。ロシアにとって、オホーツク海や北極海で中国の軍事的プレゼンスが拡大することは歓迎していない。
中国とロシアは、歴史的にも幾度となく戦争を繰り返しており、相互に根深い不信感を抱えている。両国とも米国から「戦略的競争相手」と認識されており、対米戦略上は協調姿勢をとる必要がある。しかしながら、歴史的記憶だけではなく、前述したような対立を抱えており、両国間がかつての同盟関係にまで発展するには多くの障害がある。
米国の国際政治学者であるランドール・シュウエラー博士は、同盟を結ぶ動機として、対外的に共通の敵に対する安全保障、国内の政治的安定の強化と並んで、同盟国に対する拘束をあげている。中ロ同盟は表面的には協力関係の強さを示しているように見えるが、ロシアにとっては、中国を拘束するという意味合いが大きい。まさに仮面の下に相互不信を抱えた同盟と言えよう。
日本は、両国と尖閣と北方領土という係争を抱えている。両国が日本との領土問題を共通の話題とする状況を作ってはならない。北方領土に対するロシアの姿勢に大きな変化は見られないが、経済的に厳しい状況にあるロシアがシベリア開発に係る日本の協力を得るために、何らかの妥協を行う可能性はゼロではない。さらに、欧州方面でNATOと対立関係にあるロシアにとって、極東方面で日米と緊張関係を高めるのは得策ではない。中ロが強固な軍事同盟に進展することをヘッジするためには、ロシアと一定程度の政治、経済的つながりを持ち、中ロのデカップリングを図るというしたたかな外交が望まれる。
サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄
防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。
<RS>
広末涼子容疑者はなぜ家宅捜索?小川泰平氏解説「具体的に言うと、診察券ですとか…」
【U17アジア杯】日本が「神様からの贈り物」でW杯出場決定 豪州に逆転負けも他会場の結果で
対中国のトランプ関税、125%+20%で計145%の適用スタート
【オリックス】岸田監督「守り切りましたね」6投手が粘り抜いた総力ドロー
【広島】新井監督「打ってよし、顔よし…」ダジャレでヒーロー野間絶賛 延長制し1日で5割復帰
【ソフトバンク】4時間20分の死闘はドロー 小久保監督、中継ぎ陣7投手の無失点継投を称賛
【日本ハム】新庄監督「必要なくないすか」開幕からいまだに犠打ゼロでも、超強力打線で3連勝
ベリシリコン、8K Ultra HDをサポートする高効率LCEVCビデオデコーダ「VC9000D_LCEVC」を発表
「#ライブ撮影ならGalaxy」プロジェクト 「Samsung Galaxy S25 Ultra」新CMにYOASOBIを起用
【広島】野間峻祥が延長11回V打!1日で5割復帰 新井監督「打ってよし…」ダジャレでご機嫌
多部未華子(30)結婚の裏事情あまりにも恐ろしすぎると話題に!
広末涼子容疑者は奈良から車で移動中だった「なかなか厳しいのでは」識者が疑問呈す
広末涼子容疑者の元夫キャンドル・ジュン氏が繰り返した語った言葉「心が…」がネットで再注目
自称広末涼子容疑者逮捕「涙出てくる。悔しい」“本物”は全国TVで社長の苦悩語ったばかり
広末涼子容疑者の逮捕は“異例”弁護士見解に小説家の医師「我々はサンドバッグじゃなくて人間」
広末涼子容疑者 事件当時、受け答え難しい状況 看護師への傷害容疑
「普通は逮捕される事案ではない」広末涼子容疑者現行犯逮捕の“異例さ”背景を著名弁護士が解説
石橋貴明のがん公表動画“削除”にネット困惑「どういうこと?病気嘘だったってこと?」
サンド富澤たけし、漫才中に観客がゾロゾロと途中離席「帰るんですか?!」驚きのその理由とは?
広末涼子容疑者の医療従事者暴行 木下博勝氏も被害明かす「幸いにも大怪我では無かったので…」
多部未華子(30)結婚の裏事情あまりにも恐ろしすぎると話題に!
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
【おすすめアニメ50選】完結済み!定番から最新作まで!
小澤征悦と再婚した桑子真帆アナ(34)黒い過去が流出、衝撃の過去にネット騒然
中居正広氏、14年前に脳科学者が「女性におぼれて芸能界追放」と“予言” X騒然「すごい」
「中居正広」Xトレンド入り、第三者委員会の調査報告書にツッコミ殺到「こりゃ酷い」の声
楽しんご、銭湯での男性へのわいせつ行為で逮捕された中孝介容疑者に“8文字”でずばり私見
広末涼子容疑者は奈良から車で移動中だった「なかなか厳しいのでは」識者が疑問呈す
広末涼子容疑者の元夫キャンドル・ジュン氏が繰り返した語った言葉「心が…」がネットで再注目
【ネタバレ?】史実で見るキングダムの今後の展開まとめ〜中華統一までの全体像

広末涼子容疑者はなぜ家宅捜索?小川泰平氏解説「具体的に言うと、診察券ですとか…」
【U17アジア杯】日本が「神様からの贈り物」でW杯出場決定 豪州に逆転負けも他会場の結果で
BTC反落、米中貿易戦争の激化懸念がくすぶる【フィスコ・暗号資産速報】
NY外為:ドル下げ止まる、米30年債入札好調
NY外為:BTC反落、米中貿易戦争の激化懸念がくすぶる
対中国のトランプ関税、125%+20%で計145%の適用スタート
Rソシエダード復活の要因は久保建英とバレネチェアの活躍 地元紙が攻守ともに高評価
【日本ハム】北山亘基、球団2人目レア記録に感謝「2回も誕生日で勝てるなんて」6回0封快投
【広島】新井監督「打ってよし、顔よし…」ダジャレでヒーロー野間絶賛 延長制し1日で5割復帰
【オリックス】岸田監督「守り切りましたね」6投手が粘り抜いた総力ドロー