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トルコリラ円は下げ止まりそう—2つの地政学的リスクが沈静化する可能性が高まる サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)


皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。

陳さんはまず、トルコリラ円の動向について、『トルコを取り巻く2つの地政学的リスクが沈静化する可能性が高まったことから、下げ止まりそうだ』と予想しています。

先週のトルコリラについては、『アゼルバイジャンとアルメニアの紛争長期化への懸念のほか、トルコがロシアのミサイルシステムS400の試験に着手すると伝えられ、米国による経済制裁の可能性が浮上したことから、トルコの外貨準備の枯渇や地政学的緊張への懸念から、対ドルで最安値を更新した。年初来での下落率は約24%にも達し、底なしの様相を呈してきた』と言及。

しかし、『先週末にはアルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノを巡る問題での停戦合意が発表された』として、『これはトルコにとって、いいニュースと言えそうだ』と考察しています。

続けて、『ロシアのラブロフ外相は10日、係争地ナゴルノカラバフをめぐり武力衝突していた旧ソ連構成国のアゼルバイジャンとアルメニアが停戦で合意したと明らかにした。捕虜などを交換するため、現地時間10日正午(日本時間同日午後5時)から戦闘を停止する』と述べています。

『ラブロフ氏が発表した共同声明によると、双方は「(米仏ロが共同議長の)欧州安保協力機構(OSCE)ミンスクグループ仲介の下、平和的解決を早期に達成するための実質的な協議に入る」ことでも一致した』とのことで、『アゼルバイジャンは後ろ盾のトルコを仲介国に加えるよう求めていたが、退けられた格好。トルコの反発で停戦がこじれる可能性もある』と指摘しています。

戦闘は『9月27日に始まり、これまでに民間人を含めて双方の約400人が死亡。1994年に米仏ロが仲介した停戦合意後、最大の衝突となっていた』とのことです。ただ、『この停戦合意も、トルコ外相はあくまで一時的なものと主張しているようで、まだ安心できるような状況ではない』と指摘。今週は、『トルコが本格的にミサイルシステムのテストを実施するか否かが焦点となろう』との見解を伝えています。

加えて、『現在、黒海沿岸にシステムを配置しているが、まだ戦闘機を使用するような実践的なテストは行っていない。ナゴルノ問題が一時的にでも停戦状況になったため、あえてS400の試射を行う必要もなくなった』として、『事態は沈静化する可能性があろう』と予測しています。

東地中海のガス田権益を巡っては、『対立するトルコとギリシャの両外相は8日、緊張緩和に向けた対話を始めることで一致した。外相会談は今夏に両国間の軍事的緊張が高まって以来初めて』と伝えています。

『トルコのチャブシオール外相は「近く予備的協議や信頼関係を築くための措置を開始する必要があるということで合意した」と述べた。トルコで行う初回協議に向け、複数の日程案を提示したという』と説明し、『両国は9月下旬、ドイツなどの仲介を受けてそれぞれ予備的協議を受け入れる意向を明らかにしていた』と述べています。

10月1~2日に開かれた欧州連合(EU)首脳会議では、『当初ギリシャなどが主張した対トルコ制裁が見送られるなど、東地中海問題は緊張緩和の兆しがみられる』としていますが、ただ、『両国間の主張の隔たりは大きく、ギリシャ系住民とトルコ系住民に事実上分断されるキプロスを巡っても火種があるため、本格的な融和につながるかは不透明』と分析しています。

今週のレンジについては、『12.50円~14.50円』と予想しています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の10月13日付「【トルコリラ円、今週の予想(10月12日)】」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 花田浩菜



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