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NYの視点:逆イールドとリセッション


米国債市場で3カ月物Tビルと10年債の利回りが2007年以来で初めて逆転したため、米国経済が景気後退に陥るとの警戒感が強まった。米連邦準備制度理事会(FRB)が3月に実施した連邦公開市場委員会(FOMC)をさかいに米金利先物市場での利下げ確率が急伸。12月までの利下げを70%近く織り込んだ。

一方で、逆イールドの発生が、必ずしもリセッションの前兆ではないとの見方も少なくない。逆イールドが発生しても、リセッションに陥らなかったのは1998年、1965−66年で、この際、米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き下げ、成長は続いた。また、リセッションが起こる時期までは、予測不可能。数カ月先の場合もあるし、逆イールド発生から2年後にリセッションに陥ったこともある。さらに、国際的な基準ではあまりあてにならない。英国や欧州では2008年の危機の前兆はなかった。

デューク大のハービー教授の調査によると、リセッションを予測するには、3カ月物Tビルと米10年債の利回り曲線がもっとも機能し、リセッションを確信するためには全1四半期の平均で逆イールドが発生する必要があると分析。1998年時、逆イールドが生まれたのは1カ月未満だったため、結局その後も成長が続いたと見られる。

ハービー教授によると、いずれ景気後退がくるのかもしれないが、現在のところ確信できることは「成長が弱い」ということのみで、すでに分かりきっていることだと指摘した。市場が過剰に悲観的になっている可能性がある。



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