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NYの視点:ECB、次回3月の定例理事会ではTLTROやガイダンスが焦点に


欧州中央銀行(ECB)は市場の予想通り政策金利の据え置きを決定した。「少なくとも2019年の夏まで、金利を据え置きへ」というフォワードガイダンスを維持。同時に、「最初の利上げ後も、長期にわたり保有債券償還金の再投資を継続する」としたことはややハト派要因と見られている。ドラギ総裁は会合後の会見で、今回の会見では、経済の見直しが主要議題になったとし、「経済見通しリスクが下方に傾斜した」との判断で全会一致したことを明らかにした。

リスクとして、保護主義の台頭、中国の景気減速、米国の財政策の効果が薄れること、地政学的リスクの上昇などを挙げた。しかし、いずれ、こういった問題も解決され、欧州の経済の弱さも後退、インフレもいずれ目標に達するとドラギ総裁は楽観視している。落ち込んでいたドイツの製造業も反動を見せていると加え、域内の経済がリセッションに陥るとは予想していないことを強調した。

一方で、ドイツの最新1月製造業PMIは50を割り込み2013年以降6年ぶりのリセッション水準に落ち込んだ。貿易や関税に絡み、ドイツの自動車セクターの低迷が響いた。さらに、ドイツ政府は、2019年の経済成長見通しを従来の1.8%から1.0%へ大幅に引き下げた。2020年は1.6%を予想している。世界経済の弱さや英国のEU離脱への不透明感を理由に挙げた。

ECBは昨年12月の会合で資産購入プログラムを終了後、予測の発表もなく、ドラギ総裁は次回の会合に向けた対応を示唆できなかった。しかし、新たな予測が出る3月の定例理事会では、ガイダンスの変更、または、ECBが長期資金供給の金融政策の一環TLTROに踏み切るかどうかが焦点となる。ユーロにとっては、売り材料となる。



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