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NYの視点:2019年の世界経済見通し、軟着陸予想は禁物か


20日の欧米株式市場は総じて下落したが、21日の欧州株式市場は反発。米国株式市場の反発も期待されており、リスク回避的な取引はやや縮小しているようだ。20日のニューヨーク市場では、株式、商品相場が下落し、欧州通貨や資源国通貨に対するドル買いも観測されており、ドルへの一極集中的な相場展開となった。米国金利の先高観は後退しており、一部でドル上昇に対する懐疑的な見方も浮上していたが、ドルは底堅い動きを見せている。

経済協力開発機構(OECD)は21日、世界経済が急激な減速に見舞われた場合、中央銀行には手段が残されていないため、減税と財政出動が必要になるとの見方を示した。OECDは世界の経済大国が財政出動で協調する用意が必要と主張しているようだが、財政支出の拡大を好まない欧州と米国の立場は大きく異なっている。中国の対応が注目されるが、需要を創出するために大規模な財政出動を行うことはないだろうとみられている。

また、報道によると、OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ブーン氏はインタビューで、「(経済の)軟着陸の予定が実際はより急激な景気悪化となった場合は、協力が必要だ。マクロ政策の道具箱にはあまり武器が残っていないからだ」と答えている。市場関係者の間で2019年の世界経済は予想以上に減速するとの思惑がすでに広がっているようだが、「世界経済の先行きが不透明であることから、リスク資産を一定の水準まで圧縮する動きが広がることは不思議ではない」と指摘している。21日の欧米株式市場は反発しても、来月にかけてドルが強くなり、株式や商品が安くなる状態に戻る可能性は残されている。



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