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NYの視点:米欧の通商協議に注目


米中貿易協議は暗礁に乗り上げた。レバレッジが小さい中国は通貨安を含め、関税以外での報復措置も検討している一方、関税の害を受ける経済を支援するために、内需拡大策を打ち出した。

国際通貨基金(IMF)が為替や経常収支を判断した報告の中で、先進諸国の中で、経常収支がより集中的となっていることが明らかになった。中国の昨年の経常黒字は対国内総生産(GDP)比1.7%増で、過剰経常黒字国のひとつ。IMFが過剰黒字諸国と見なしたのは、その他、ドイツ、韓国、オランダ、シンガポール。一方で、過剰経常赤字諸国は、米国、英国、トルコ、アルゼンチン。この結果から、トランプ大統領の中国非難は一部理に適うことがわかる。

■過剰経常黒字諸国:

中国、ドイツ、韓国、オランダ、シンガポール

■過剰経常赤字諸国:

米国、英国、トルコ、アルゼンチン

IMF報告ではまた、ドルが中期的なファンダメンタルズに比べ8%−16%過大評価されていると判断。人民元はファンダメンタルズに一致しているとの見方を示した。ただ、データは6月22日付。その後、中国の人民元は、米国との貿易摩擦激化で対ドルで急落、1年ぶりの最安値を更新した。中国政府は経済を支援するため、一段の金融緩和も示唆。

ムニューシン米財務長官は20日のロイターとのインタビューで、人民元の下落を懸念しており、中国政府が通貨操作をしているかどうかを注意深く見直していく方針を明らかにした。

米中貿易摩擦が長期化する様相が見られる一方で、トランプ大統領と欧州委員会のユンケル委員長は25日に協議を予定している。関税、貿易、安全保障が議題になると見られている。欧州が、当初期待されていたようなオファーを米国に提示し、米欧の貿易問題が解決に向かうかどうかが焦点となる。




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