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NYの視点:中央銀行、ジャクソンホールでタカ派色の基盤固めへ


イエレンFRB議長による半年に一度実施される議会証言は、第1日目の証言で、最近低迷しているインフレに疑念を抱いていることを明らかにし、予想外のハト派に転じた内容がサプライズとなった。2日目の上院銀行委員会での証言では、ハト派色を弱めた。「インフレの展開を非常に注意深く監視していく方針」「インフレ基調が2%以下と言及するのは時期尚早」と繰り返すと同時に、インフレのリスクでは下方だけでなく、上方リスクも注視していくと明確化。また、年内に保有資産縮小を開始する計画を確認し、資産縮小の間、長期金利はいくらか上昇すると見ていることも明らかにした。

一方、欧州中央銀行(ECB)はドラギ総裁が8月24−26日に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムに出席、講演を行うことを発表。ドラギ総裁による講演は3年ぶりとなる。関係筋によると、域内経済への自信が強まり、金融刺激策への依存度がへったことを示唆する見込みだという。ECBは早くて9月の定例理事会で、資産購入規模を現行各月600億ユーロ規模から縮小する計画を発表すると見られている。関係筋によると、来年1月から規模を一月100億ユーロつづ削減していく模様。

ECB理事会の2週間前に開催されるジャクソンホールでの講演は、この方針を示唆する絶好の機会と見られている。ドラギ総裁は2014年の会合で、資産購入プログラムの導入を示唆したことを考えると、同じ会合で、終了を示唆するのが理にかなっていると指摘されている。かつて、バーナンキ前FRB議長も量的緩和(QE)第2弾を示唆する講演をジャクソンホールで行っている。

ECBは9月の会合で、新たな成長、インフレ予測を発表する。ECBは通常、新たな予測発表と同時に、政策を変更する傾向がある。予想通りとなると、4年ぶりに欧米の中央銀行が緩和策解消に動くことになる。ECBだけでなく、世界の中央銀行が緩和策を解消する基調にあることを確認するには絶好な機会となり、各地域の金利上昇につながる可能性がある。



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