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コラム【アナリスト夜話】:近づく医療の『惑星直列』(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)


最近、睡眠不足が体や仕事に悪影響を与えるという「睡眠負債」が気になっています。そこでこの週末、都内にある「スリープ・クリニック」に行ってみました。眠気を誘発するホルモン等の分泌を検査し、睡眠の質を図る「活動計」という装置を体に装着し、無呼吸症の検査器もレンタルしました。

これらの検査は睡眠の状態を図る上で重要なものばかりなのですが、残念ながらかなりの部分が保険適用外でした。急を要する症状ではないので仕方がないとはいうものの、改めて予防医療はお金がかかると痛感しました。

来年は、2年に1度の診療報酬の改定と、3年に1度の介護報酬の改定、2年に1度の薬価の見直し(来年からは毎年見直し)が、安倍政権発足後初めて同時に到来します。関係者は「惑星直列」と呼び、身構えています。

これに備え、秋には医療費関連の議論が一段と活発化する予定です。医薬品や介護業界にもさまざまな影響が出るとみられ、注目されます。

とりわけ、病院で治療する人を減らす「予防医療」はテーマの1つとなりそうです。予防医療を国費で支援しても、その分寿命が延びてしまうので、医療費総額の抑制には繋がりにくいという説もあります。それでも、高血圧や糖尿病など生活習慣病を減らし、ガン治療などの高額医療費の発生を遅らすことはできます。国を挙げて推進する方向であることは間違いないと思われます。

そして何より、予防医療は個人の生活の質を改善します。今回の睡眠治療でどこまで仕事のパフォーマンスに影響するかはわかりませんが、例えば半年後、もしこの「夜話」が今より読みやすくなったら、それはスリープ・クリニックの効果かもしれません。

マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那
(出所:7/10配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)



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