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いったんは利益確定の動きにも向かわせやすい水準


 13日の日本株市場は、買い先行後はこう着感の強い相場展開が見込まれよう。12日の米国市場はNYダウが229ドル高だった。8月消費者物価指数(CPI)の発表を控え、インフレ鎮静化を期待した買いが先行した。また、NY連銀の8月期待インフレが大幅低下したことも投資家心理改善に繋がり相場をさらに押し上げた。ただし、連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅利上げ観測は根強く、午後に入り長期金利が大きく上昇に転じると、主要株式指数は上げ幅を縮小した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円高の
28330円。円相場は1ドル142円60銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行で始まろう。ただし、FOMCでの0.75%
の利上げは織り込むものの、CPIの結果を受けた米国市場の反応を見極めたいとのムードは高まりやすいだろう。直近の上昇で日経平均は節目の28500円を突破してきたこともあり、いったんは利益確定の動きにも向かわせやすい水準と考えられる。

 ただし、センチメントは改善傾向に向かうなか、押し目待ちの買い意欲は強そうであり、下値の堅さは意識されやすいだろう。一目均衡表では雲上限を支持線としたリバウンドにより、昨日は基準線をクリアしている。基準線や25日線は28250円辺りに位置しており、この水準までの調整は考えづらいなか、押し目待ち狙いの買い方にとってはエントリータイミングを切り上げてくる可能性はある。また、ショートカバーの動きなども意識されてくるだろう。

 米国ではアップルが強い動きとなり、NYダウをけん引する格好だった。新型「iPhone14」の需要は強いとのアナリストの見解が相次いだようであり、指数インパクトの大きい値がさ株などへの手掛かり材料になりそうである。円相場は黒田総裁発言以降、1ドル142円台での落ち着いた動きを見せており、輸出関連などへは利食いは出やすいものの、足元で売り込まれていたハイテク株が底堅い値動きを見せてくるようだと、センチメントを改善させることになりそうだ。中小型株については強い基調が続いている銘柄へは良好な需給状況によって資金回転が効いているため、過熱感を警戒しつつも資金が向かいやすいと考えられる。
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