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米CPI前に手仕舞い売り、主役はしばしアフターコロナ


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;28868.29;-95.27TOPIX;1958.30;-4.35


[後場の投資戦略]

 前場の日経平均は一度も29000円を超えることなく推移し、上値の重さが目立つ展開となっている。今晩の5月米消費者物価指数(CPI)を前に警戒感が強く、様子見ムードが強いなか、手仕舞い売りなども嵩んでいるようだ。先月に、いわゆる「CPIショック」を経験していることから、インフレに対する脅威は既にある程度は織り込んでいるとは思われるが、5月のCPIの伸びは、前月から更に加速することが見込まれており、やや警戒感が強まっているようだ。WTI原油先物が足元で1バレル70ドル台にまで大きく上昇してきていることも、そうした警戒感を助長しているのかもしれない。一方、足元の米長期金利はむしろ低下基調となっている。今回のCPIの結果を受けて、どう反応するかが注目される。

 こうした様子見ムードが強いなかでも、国内でのワクチン接種スピードを好感した動きが引き続き活発だ。本日のセクター別騰落率ランキングでは、上昇率上位に不動産、空運、陸運と、アフターコロナを代表する業種が並んでいる。住友不動産<8830>
の7%高という上昇ぶりをみると、本日の全体の軟調なムードを一掃してくれそうなくらいだ。大手百貨店の三越伊勢丹<3099>や高島屋<8233>なども上値追いの動きとなっており、昨年3月のコロナショック以降の高値を更新し続けている。

 国内でのワクチン接種スピードは、1日当たりの接種回数が約60万回と、政府が目標にする1日100万回に徐々に近づいている。アフターコロナ関連は今まで短期的な物色はあっても、すぐに下落に転じてしまうことが多かったが、今回は5月第4週からと、すでに3週目の半ばに突入しているが、勢いが衰えていない。足元で、ハイテク・グロースから資源関連を中心とした景気循環株まで、総じて冴えないなか、いまや、これまで見向きもされなかったアフターコロナ関連が相場の唯一の主役となっている。FOMCが来週に控えるなか、もうしばらく、アフターコロナが主役の相場展開が続きそうだ。
<AK>
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