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年末年始休暇前に利益確定売り優勢


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27412.24;-155.91TOPIX;1806.92;-12.26


[後場の投資戦略]

 昨日の東京株式市場で日経平均は714円高。1990年8月以来、約30年4カ月ぶりの高値更新ということで、テレビなどでも盛んに報じていた。たしかに大方の予想を上回る上げ幅だったが、市場では、売り方の買い戻しや短期筋の値幅取りを背景とした先物主導の上げとの見方も多かったようだ。先物主導の相場の場合には日経225先物が使われることが多いため、日経平均の変動率がTOPIXのそれより大きくなる傾向があるとされる。日経平均がTOPIXの何倍の水準化を見た指標である「NT倍率」は、昨日の大引けで15.154。12月1日の15.148を上回り今年最大となった。ちなみに、昨日の寄り付き段階ではNT倍率は15.016だった。昨日の取引時間中にNT倍率が随分上昇したことが分かる。昨日の上昇相場が日経平均主導であり、おそらく先物主導だったということだろう。

 先物主導の相場は、逆回転が始まると一気に巻き戻しが進む可能性があり、年明けは少し注意が必要かもしれない。米経済対策の現金給付増額案の行方が気になることに加え、米国では年明けに政治・経済のイベント予定が多い。1月4日の東京市場大発会の翌日5日には米ジョージア州の上院決選投票と12月米ISM製造業景況指数発表、6日には12月ADP全米雇用リポート発表とFOMC議事要旨公表、7日は12月ISM非製造業景況指数発表、そして8日に12月米雇用統計発表。年明けの米国では政治・経済イベントがいきなり全開となる。このほか、東京市場が休場の間に中国でもPMIなどの重要経済統計が発表される。

 これらのイベントに加え、現下、コロナ警戒が怠れない。年末から年始にかけて感染者数の推移が注目されるが、正月休みの間は、おそらくPCR検査数が少なくなるのだろう。そして、1月4日以降は検査がフル稼働となるとの指摘がある。三が日に症状が出ても検査を受けられなかった人が4日以降、検査に殺到する。その結果は1月6日頃から判明する。想定外の人数になる可能性も否定できない。米議会選挙や経済統計、コロナ感染者数など、年明け早々、株価を揺らす材料が集中しそうだ。これにどう備えるか。今年の取引もあと2時間半。熟慮し急ぎ対応する必要があるかもしれない。

 さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。来年の相場上昇への期待感が強い一方、上述のように年末年始のスケジュールを警戒する向きは少なくない。4連休を前にあえてポジションを傾ける向きは多くないと見られ、市場では次第に見送りムードが強くなりそうだ。
(小山 眞一)
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