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日経平均は続落、円高一服でも米株安で下落


 日経平均は続落。117.16円安の21076.65円(出来高概算4億5000万株)で前場の取引を終えている。

 25日の米株式市場でNYダウは179ドル安と反落した。連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長やセントルイス連銀のブラード総裁の発言を受け、早期利下げへの期待が後退。6月の消費者信頼感指数や5月の新築住宅販売件数が市場予想を下回ったことも投資家心理を冷やした。本日は6月末の権利落ち日で、日経平均の配当落ち分は30円程度とみられているが、米株安も嫌気されて126円安からスタート。足元で為替相場が1ドル=107円台前半と円高一服していることや、米半導体大手マイクロン・テクノロジーが中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への出荷を法的に問題のない製品に限り再開したと伝わったことが下支えとはなったが、寄り付き後の日経平均はマイナス圏でのもみ合いが続いた。東証1部の値下がり銘柄は全体の6割弱、対して値上がり銘柄は3割強となっている。

 個別では、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>などがさえない。配当権利落ち銘柄ではJT<2914>が3%、キヤノン<7751>が2%の下落。また、特別配当の権利落ちとなったマクセルHD<6810>が大幅続落し、東証1部下落率トップになっている。一方、LIXILG<5938>が商いを伴って急伸し、東証1部上昇率トップ。前日の定時株主総会を経て、瀬戸欣哉氏が最高経営責任者(CEO)に復帰している。東エレク<8035>、アドバンテス<6857>といった半導体関連株や、村田製<6981>、太陽誘電<6976>といった電子部品株は米中摩擦への懸念が和らぎ堅調。決算とともに自社株買い実施を発表した高島屋<8233>は大きく買われた。セクターでは、ゴム製品、電気・ガス業、水産・農林業などが下落率上位。反面、金属製品、非鉄金属、海運業などが上昇率上位だった。

 日経平均は米株安や配当権利落ちの影響で3ケタ安からスタート。ただ前日下げにつながった為替の円高進行が一服し、米中摩擦への懸念が和らいだことも支えとなり、大きく売られる流れとはなっていない。日足チャート上では21030円近辺に位置する25日移動平均線レベルで下げ渋っており、底堅さも意識されている。とはいえ円高で下落、米株安でも下落となると、積極的な買いは手掛けづらいだろう。米国株などと比べた日本株の出遅れ感は容易には修正されそうにない。

 前場の東証1部売買代金は概算で8000億円あまりにとどまっており、週末の20カ国・地域(G20)首脳会議及び米中首脳会談を前に、引き続き模様眺めムードが強い。アジア市場でも中国・上海総合指数を中心に全般小動きとなっている。後場は日銀による上場投資信託(ETF)買い入れの思惑も出てくるだろうが、戻りは限定的とみておきたい。なお、本日は通常国会が閉幕し、参院選を「7月4日公示、21日投開票」の日程で実施することが正式決定された。10月の消費増税への懸念は根強いが、参院選に向け政策期待が高まるか注視したい。
(小林大純)


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