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【国内民放初(*1)】PTP(*2)を利用した放送TS 信号(*3)の FPU(*4)伝送実験に成功


株式会社メディアリンクス、アストロデザイン株式会社、株式会社国際電気、セイコーソリューションズ株式会社、株式会社毎日放送の5社は、2025年3月8日に、PTP非対応のIPネットワークでの放送TS信号伝送実験に成功しました。この実験では毎日放送本社から16.6km離れた生駒山までの伝送を行い、PTPと放送TS信号を使用。通常はPTPの高精度な時刻同期が困難な環境でも、ネットワークアディションズ社製のRPTP装置を利用し、成功を収めました。今後はデジタルキャンセル処理を用いて、単一周波数での伝送実験も計画されています。

株式会社メディアリンクス(代表取締役社長 菅原司、本社:川崎市)、アストロデザイン株式会社(代表取締役社長 難波豊明、本社:東京都大田区)、株式会社国際電気(代表取締役社長執行役員 佐久間嘉一郎、本社:東京都港区)、セイコーソリューションズ株式会社(代表取締役社長 関根淳、本社:千葉市)、株式会社毎日放送(代表取締役社長 虫明洋一、本社:大阪市)は、2025年3月8日に、FPUによってPTP非対応のIPネットワークを構築し、PTPを利用した放送TS信号を伝送する実験に成功しました。

今回の検証実験では、メディアリンクス社製のIP伝送装置(以下、MDP3020 SFN)を使用し、16.6km離れた生駒山から毎日放送本社へ、PTPと放送TSを伝送しました。放送TS信号をMDP3020 SFNでSMPTE ST2022-2(*5)に準拠したIPパケットにして伝送、PTPはセイコーソリューションズ社製のPTPグランドマスタークロック(TS-2910)で、Default profile(IEEE1588v2(*6))に準拠したPTP にて伝送しています。伝送路には、国際電気社製の7GHz帯、10GHz帯FPU(FR15-ZS200)を2対向使用し、双方向にTS伝送可能な回線をマイクロ波で構築しました。FPUのTS入出力をIPに変換するための装置(IPoverTS(*7))は、アストロデザイン社製のCX-5548Aを使用しました。PTP伝送に対応した特殊な機器ではなく、汎用的な機器を使用して、FPUによるIP回線を構築しました。

これまでは、PTP非対応のIPネットワークでは、パケットの伝送遅延が変動し、PTPに求められるマイクロ秒単位の時刻同期精度で伝送することは不可能でした。この検証実験で、受信側となる毎日放送本社に、伝送遅延の変動を平準化できるネットワークアディションズ社製のRPTP(*8)装置を使用することによって、PTPを利用した放送TS信号のFPU伝送を実現しました。

今回の実験は、メディアネットワークの高い技術力を持つメディアリンクス、TS処理装置の実績が豊富なアストロデザイン、FPUの新たな取り組みを長年継続している国際電気、放送業界のIP化システムへの移行におけるPTP 同期をサポートするセイコーソリューションズ、近畿広域圏で地上基幹放送事業を行う毎日放送の5社が協業しました。

(*1) 2025年4月 5社調べ(民放以外で、PTP対応の専用変換機を使用してFPU伝送した事例はあり)

■実験概要図

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000321779&id=bodyimage1

今後は、国際電気と毎日放送で共同開発中のFPUを使用し、上図における2対向のFPUを異なる周波数で運用するのではなく、デジタルキャンセル処理によって同一周波数で回線構築する実験も検討しています。地上デジタル放送中継ネットワークを構成する伝送方式を多様化、冗長化する事で、今まで以上の強靭化が可能になります。災害時などのBCP対策にも有効な伝送手段になるよう、引き続き検証に取り組んでまいります。

■用語解説
(*2)PTP(Precision Time Protocol)
高精度な時刻同期を行うための次世代プロトコル1マイクロ秒(100万分の1秒)以下の時刻同期確度が担保でき、時刻はもちろん、周波数基準として利用可能

(*3)放送TS(Transport Stream)信号
地上デジタル放送やBSデジタル放送で用いられる伝送信号
映像・音声・字幕・データ放送などの信号を一括しMPEG-2 TS形式でパケット化

(*4)FPU(Field Pickup Unit)
テレビジョン放送用の映像と音声を、取材現場から無線で伝送する装置

(*5)SMPTE ST2022-2
IPネットワークを介して番組素材信号を共有するための伝送に関する標準規格

(*6)IEEE1588v2
PTPの基本的な仕様を規定したプロトコルで、様々な用途(通信、電力、産業機器など)に応じてカスタマイズ可能な技術
放送SMPTE の PTP もこれをベースに規格化されている

(*7)IPoverTS
IPパケットのデータをMPEG-2 TSに組込む方式。
本実験では、RFC 4326で定められているULE(Unidirectional Lightweight Encapsulation)Bridgeと呼ばれる方式を利用し、TSの伝送路を使用してIP回線を構築

(*8)RPTP(Resilient PTP)
PTP非対応のIPネットワーク上で、PTPを安定同期させる技術
株式会社メディアリンクス、株式会社インターネットイニシアティブ、ネットワークアディションズ株式会社、セイコーソリューションズ株式会社の4社によって構成されるRPTP Allianceによって確立されている

■実験の様子
本社側

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000321779&id=bodyimage2

生駒側

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000321779&id=bodyimage3

■製品の紹介
・MDP3020 SFN (メディアリンクス)
 https://jp.medialinks.com/products/ip-edge-devices/mdp3020-sfn/

・CX-5548A (アストロデザイン)
 https://www.astrodesign.co.jp/product/cx-5548a

・TS-2910 (セイコーソリューションズ)
 https://www.seiko-sol.co.jp/products/time_server/time_server_lineup/time-server-pro_ts2910/

・FR-ZS200 (国際電気)
 https://www.kokusaidenki.co.jp/products/broadcast/recept/fpumaicro/index.html

※本文中に記載されている製品名などは各社の登録商標または商標です。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社メディアリンクス
 テクニカルセールス
 川崎市幸区堀川町580-16川崎テックセンター18階 TEL: 044-589-3570(代表)

アストロデザイン株式会社
 東京都大田区南雪谷1-5-2 TEL:03-5734-6301 E-Mail:sfuruyam@astrodesign.co.jp
 お問い合わせフォーム(https://www.astrodesign.co.jp/contact.html

株式会社国際電気
 営業統括本部民需営業本部 エンタープライズソリューション営業部
 東京都港区西新橋二丁目15番12号 TEL:050-3383-3485

セイコーソリューションズ株式会社
 戦略ネットワーク本部 STN 営業部 STN インフラソリューション営業課 担当:吉田
 千葉県千葉市美浜区中瀬 1-8 TEL:043-273-3184 Email:support@seiko-sol.co.jp
 お問い合わせフォーム(https://contact.seiko-sol.co.jp/time_server

株式会社毎日放送
 コンプライアンス局 広報部
 大阪市北区茶屋町17番1号 TEL:06-6359-1123 (代表)



配信元企業:セイコーソリューションズ株式会社
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