XaaS需要の19%増が牽引し、市場全体では10%の増加
経済の先行きの不透明感により、マネージド・サービスは26%の落ち込み
シドニー--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --グローバルなAI中心のテクノロジー調査およびアドバイザリー企業であるインフォメーション・サービシズ・グループ (ISG ) (Nasdaq:III) が発表した最新の業界レポートによると、アジア太平洋地域のIT・ビジネスサービス市場は、マネージド・サービス支出が低迷するなか、クラウドに対する力強い需要が牽引する形で第1四半期に2桁成長を記録しました。


年間契約額(ACV)が500万米ドル以上の商業アウトソーシング契約を対象に測定した「アジア太平洋ISGインデックス™」によると、市場全体(マネージド・サービスとas-a-service(XaaS)の合計)のACVは前年同期比10%増の53億米ドルとなり、アジア太平洋地域では5四半期連続で前年同期比成長を記録しました。
アジア太平洋地域では、クラウドサービスに対する力強い需要によりas-a-serviceへの支出が19%増の45億米ドルとなりました。サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)は18%増の39億5,000万米ドル、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)は30%増の5億5,600万米ドルとなりました。
一方、マネージド・サービスのACVは26%減の7億7,800万米ドルとなり、2023年第3四半期以来最も少ない結果となりました。直近までは4四半期連続で2桁成長を記録し、四半期あたり平均31%の成長を遂げていました。ITアウトソーシング(ITO)は16%減の5億3,900万ドルとなり、このなかではアプリケーション開発および保守(ADM)の7%増、マルチタワーインフラの88%増が唯一成長した分野となりました。ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)は31%減の1億5,500万ドルとなりました。今回初めてBPOから切り離されたエンジニアリング研究開発(ER&D)は、54%減の8,400万ドルとなりました。
第1四半期に締結したマネージド・サービス契約は合計57件で、前年同期比14%減となりました。これは、500万ドルから900万ドルの小規模な案件が前年同期比で26%減少したことが主な要因です。
「企業によるデジタルトランスフォーメーションやAIの導入が着実に進展するなか、クラウドベースのサービスに対する力強い需要がアジア太平洋市場を牽引しました」と、ISGのアジア太平洋地域担当パートナー兼リージョナル・リーダーであるマイケル・ゲイルは述べています。「市場は依然としてコスト・レジリエンス、生産性、ITモダナイゼーションに重点を置いています。」
ゲイルは、経済の不透明性の高まりと米国の関税の影響により、市場はボラティリティの高い時期に突入する可能性が高いと述べています。「米国の関税による間接的な影響と、さらなる経済的混乱が起こる可能性について、各組織が評価を行っています」と、彼は述べています。
影響を示す兆候として、ゲイルは第1四半期における小規模案件の急激な減少を挙げています。「これは裁量的な支出が圧迫されていることを示唆している可能性があります」と、彼は述べています。
業種別、地域別の結果
ほとんどの業界が前年比マイナスとなりましたが、その例外として、メディア・通信業界は3桁成長を遂げ、アジア太平洋地域で2番目に大きな業界である製造業は7%近い成長を記録しています。一方、同地域で最大の業界である金融サービスは、前年比28%の減少となりました。
地域別では、ほとんどの市場が前年を下回る結果となりました。地域最大を誇るオーストラリア・ニュージーランド市場は前年比35%減、東南アジアと中国はともに70%以上の減少となりました。唯一の好材料は日本とインド市場がいずれも2桁成長を記録したことです。
2025年世界予測
貿易政策、地政学的緊張、日々変化する規制による不確実性の高まりが、業界の第2四半期の見通しに影響を与え始めているとISGは述べています。
ISGの2025年における市場成長予測は、2つのシナリオに基づいています。最初のシナリオでは2025年半ばまでに関税を取り巻く環境が安定し、下半期に市場における迅速な意思決定が見られるようになります。当該シナリオにおいて、ISGは2025年のXaaSの成長率を18%と予測しており、これは1月時点の予測から変更ありません。マネージド・サービスの成長予測は1.3%であり、1月時点の4.5%から減少しています。
2つ目のシナリオでは、第3四半期以降まで関税問題が長引き、移民の取締り、現在抱えている賃金問題、EUにおけるデジタルサービスに対する報復関税などが重なり、裁量的支出に対する需要の減少と契約締結の遅れが長引く結果となるでしょう。この悲観的なケースを想定した場合、XaaSの年間成長率は15%に鈍化し、マネージド・サービス支出は1月時点で予測した数値から700ベーシスポイント近く変動し、マイナス2.4%になるとISGは予測しています。
「ベースシナリオでは依然として慎重な見方を採用していますが、決して悲観的ではありません」と、ゲイルは述べています。「第1四半期はファンダメンタルの強さが見られます。私たちが直面している変化は、需要の減少ではなく、契約の遅れによるものです。」
ISGインデックス™について
ISG Index™は、世界のテクノロジーおよびビジネスサービス業界に関する市場情報の権威ある情報源として認識されています。同社は90四半期連続で金融アナリスト、企業バイヤー、ソフトウェアおよびサービスプロバイダー、法律事務所、大学、メディア向けに、詳細な最新の業界データとトレンドを提供しています。
2024年第1四半期のグローバルISGインデックスの結果は、4月10日のウェブキャストで発表されました。ウェブキャストの再視聴およびプレゼンテーション資料のダウンロードは、こちらのウェブページをご覧ください。
ISGについて
ISG (Nasdaq:III)は、AIを中心としたテクノロジーの調査およびアドバイザリーを提供するグローバル企業です。世界のトップ100企業のうち75社を含む900を超えるクライアントから信頼されるパートナーであるISGは、テクノロジーおよびビジネスサービス分野における長年のリーダーであり、現在ではAIを活用して組織のオペレーショナルエクセレンスと成長を最前線で支援しています。2006年に設立された同社は、独自の市場データ、プロバイダーエコシステムに関する深い知識、そして世界中で働く1,600人のプロフェッショナルが有する専門知識で知られており、顧客がテクノロジーに対する投資の価値を最大限に引き出せるよう支援しています。
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