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金融包摂の促進を目指すオープン・ファイナンスの新ガイドライン


国際機関連合が公的機関向けに、オープン・ファイナンスを活用したデジタル金融サービスの拡大とイノベーションの促進を目的としたガイドラインを発表しました。オープン・ファイナンスは、顧客が金融データを他の金融機関と共有することに同意することで、競争を促進し、新しいサービスやビジネスモデルを生むと期待されています。しかし、データのセキュリティや消費者保護のリスクも伴うため、適切な規制とセーフガードが必要です。マキシマ王妃やIMFのクリスタリナ専務理事などが、金融アクセス向上や新たなチャレンジについて言及しました。

ワシントン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --国際機関連合は、オープン・ファイナンスを活用してデジタル金融サービスとイノベーションを加速し、より幅広い金融商品の利用拡大を目指す公的機関向けの大枠のガイドラインを発表しました。




デジタル公共インフラへの投資や、ベーシックな取引口座にいまだアクセスできない世界14億人への継続的な取り組みと並んで、オープン・ファイナンスは金融サービス産業の成長にとって新たな開拓領域となることが見込まれます。現在、世界人口の76%が金融口座を利用していますが、オープン・ファイナンスはその利用を拡大し、顧客が金融サービスから得る利益を増大させることが可能です。


ファイナンシャル・ヘルスに関する国連事務総長特別顧問(UNSGSA)であるマキシマ王妃陛下は、オープン・ファイナンスが普及するにつれ、すべての人、特にこれまで金融的に排除されてきた人々や十分なサービスを受けてこなかった人々に恩恵がもたらせる可能性があると述べられました。


陛下は、「私たちは金融口座へのアクセスを拡大する上で大きな進歩を遂げましたが、個人が貯蓄や保険商品などの複雑な金融ニーズを満たす幅広い金融サービスを積極的に利用し、その恩恵を確実に受けられるようにするためには、いまだ多くの課題が残されています」と述べられたうえで、「適切なデータと消費者保護措置が整えば、オープン・ファイナンスは、金融包摂の深化と消費者のファイナンシャル・ヘルスの向上において変革的な役割を果たすことができるでしょう」と続けられました。


世界銀行グループのアジェイ・バンガ総裁は、「オープン・ファイナンスが適切に行われれば、従来金融サービスを受けられなかった人々にも金融サービスを提供できるようになり、ゲーム・チェンジャーとなる可能性があります。また、中小企業にとっても恩恵があります。当グループはオープン・ファイナンスを推進し、現在ほとんど資金を利用できていない8000万人以上の女性起業家に資金を提供するという目標を達成するため、各国と協力しています」と述べています。


オープン・ファイナンス・システムでは、顧客は二者間契約を結ぶことなく、金融機関が他の金融機関とデータを共有することに同意可能です。これにより、金融機関間の情報の不均整が緩和され、新しく革新的な商品やサービス、ビジネスモデルが生まれるための、より競争的な市場が醸成されます。その結果、女性や零細・小規模企業(MSE)をはじめとする顧客は、金融サービス・プロバイダーや商品をより容易に比較・選択し、個々のニーズに最も適したものを選択できるようになります。


また、オープン・ファイナンスは、リスクを新たに生み出したり、強める可能性もあります。金融セクターのプロバイダー間でより多くのデータがやり取りされるようになると、消費者にとってデータのセキュリティ、保護、プライバシーのリスクが高まります。そのため、高度なガイドラインでは、公的機関に対し、消費者保護とイノベーションの促進を両立させるアプローチを採用するよう求めています。


「新たな金融プレーヤーの参入は、イノベーションと競争を促進しますが、同時に規制上の課題も生み出すでしょう」と、IMF専務理事のクリスタリナ・ゲオルギエバ氏は述べています。そして、「他業界の支配的なプレイヤーが自社のデータを共有することなく金融データにアクセスできるようになれば、競争はリスクにさらされる可能性があります。公的機関は、エコシステムが政策目標に合致するよう、注意深く監視する必要があるでしょう」と続けました。


国際決済銀行のアグスティン・カーステンス総支配人は、「オープン・ファイナンスは、イノベーションと競争を促進し、顧客に力を与え、金融包摂を向上させる上で大きな可能性を秘めています。しかし、その恩恵は適切な規制とセーフガードを伴って初めて実現されるものです。オープン・ファイナンスに関する重要な検討事項を概説するこの共同作業は、健全な枠組みの設計と実施に貢献するでしょう」と述べました。


オープン・ファイナンスのための重要な考慮事項」として知られるこのガイドラインの策定は、CGAPが主導し、BIS、国際通貨基金(IMF)、国連金融健全化事務局(UNSGSA)、世界銀行と協力して行われました。


本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。


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