* 近時の不祥事に関するアインの不十分な対応に関して、オアシスはアインの「調査チーム」、経営陣および監査役会に公開質問状を送付
* 極端に高いバリュエーションでFrancfrancの株式をセブン&アイから取得することは、深刻な利益相反の可能性があるとオアシスは非難
* オアシスはすべての株主の利益のために、アインの株主の皆様に対し、来る定時株主総会において木村氏の選任に反対票を投じ、オアシスの株主提案への賛成票を投じるよう再度、要請
詳細はwww.AinCorpGov.comでご確認ください。
香港--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッド(以下「オアシス」といいます。)は、調剤薬局チェーンを展開する株式会社アインホールディングス(9627 JT)(以下「アイン」または「同社」といいます。)の株式を 約15.1%保有するファンドの運用会社です。オアシスは「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》を遵守しており、この原則に沿ってオアシスは投資先企業のモニタリングとエンゲージメントを行っています。
オアシスは、アインの大株主として、アインの劣悪なコーポレート・ガバナンス慣行に懸念を有しており、全ての株主とステークスホルダーの利益のためにアインの企業価値の向上とコーポレート・ガバナンスの充実を図るためアインとの対話を行ってまいりました。直近のKKR札幌医療センターの不祥事においては、アインおよびその子会社の取締役2名が逮捕され、第一審での有罪判決を受けておりますが、これもアインの不十分なコーポレート・ガバナンスの一例です。本不祥事においては、公募において、提案期限後の提案文書の差し替えを繰り返すアインの悪しき企業文化も露呈しました。長期間に亘り、アインのTSRは同業他社を下回り、ROEが低下してきたにもかかわらず、大谷喜一氏はアインや大谷氏個人と従前の繋がりのある友好的ないわゆる「独立社外」取締役を選任し、企業支配を維持し続けてきました。これらの「独立社外」取締役の多くは、アインと資本業務提携関係を含む取引関係を有する企業や、経営陣に友好的な株主を増やすことのみを目的として、大谷氏の個人的な利益のために、第三者割当増資によって導入されたアインの株主の出身者です。
オアシスによるアインの「調査チーム」、経営陣および監査役会への公開質問状
複数の経営陣幹部が逮捕され、第一審で有罪判決を言い渡された直近のKKR札幌医療センターでの不祥事を受けたアインの対応は透明性を欠いています。加えて、アインはオアシスの株主提案に対する回答において、不合理で誤解を招くような開示を続けています。こうした対応を受け、オアシスはアインの「調査チーム」、経営陣、監査役会に対し、添付の公開質問状を送付しました。オアシスは、これらの質問に対する公式な回答を、2024年7月16日までに、株主総会で議決権を行使するすべての株主のために、同社ウェブサイト上で公開するよう要請しました。また、アインの「調査チーム」および監査役会による回答は、当該回答の独立性と公正性の確保のために、当該回答の公開に先立ちアインの経営陣、従業員およびそのアドバイザーに対して検討されることなく、その回答が何ら干渉されずに公開されることを求めております。
アインのセブン&アイとの関係性とFrancfrancの買収
このような劣悪なコーポレート・ガバナンスが続いた長い歴史に鑑み、オアシスはアインのコーポレート・ガバナンスを改善するための複数の株主提案を行いました。弊社提案の中には、「独立社外」取締役である株式会社セブン&アイ・ホールディングス(以下「セブン&アイ」といいます。)の伊藤順朗氏を解任することも含まれていました。アインはセブン&アイから約15年にも亘って4名もの兼任取締役の派遣を受け入れるなどの、長きに亘る深い関係にあるにもかかわらず、同氏は、アインの「独立社外」取締役として就任しています。伊藤順朗氏解任というオアシスによる建設的な株主提案を受けて、利益相反状況及びアインにおける劣悪なコーポレート・ガバナンスによって伊藤順朗氏に対する社会的評価が潜在的に傷つくことを踏まえ、同氏は退任することとなりました。しかし、アイン及びセブン&アイは、オアシスによる株主提案の趣旨(少数株主と異なる利害関係を有する取締役を独立社外取締役に選任すべきでは無いこと)を理解することなく、その代役として再びセブン&アイから木村茂樹氏を新たにアインの「独立社外」取締役として指名することを決定しました。
さらにアインは、今般、家具・インテリア小売りの株式会社Francfranc(以下「Francfranc」といいます。)をセブン&アイから極端に高いバリュエーションで買収する計画を公表するという衝撃的な決定を実施しました(以下「本件買収」といいます。)。Francfrancや本件買収に関する基本的な事実は以下の通りです:
- Francfranc は家具・インテリアの小売企業で、日本国内に 150 以上の店舗を保有
- Francfranc は2011年まで上場していたものの、MBOにより約160億円の時価総額、当該時点の最新の通期決算を元にするとPER17.4倍のバリュエーション、市場価格に対して47.5%のプレミアムを付与して上場を廃止
- Francfranc はセブン&アイと深い関係にある企業であり、セブン&アイは 2013 年に Francfranc の 49%株主となり、本日現在でも 15%の株式を保有
- Francfranc は実質的に長期的な成長が欠如。Francfrancの上場廃止前の最終会計年度と直近の会計年度を比較すると、売上高は2011年1月期の333億円から2023年8月期には395億円へと成長は年平均成長率1.4%に留まり、純利益は2011年1月期の9億4,000万円から2023年8月期には11億9,400万円へと成長は年平均成長率1.9%に留まる
- さらに、Francfrancの当期純利益率は2011年3月期の3.0%から2023年8月期には2.8%に、経常利益率は同6.1%から5.7%に低下
- アインによるFrancfrancの買収額は500億円で、最新の通期決算に基づくと本件買収時のPERは41.9倍
オアシスは、本件買収は問題があり、かつ疑わしい点があると考えています。オアシスは、特に不合理なほどに高い価格でのアインによるFrancfrancの買収は、大谷氏の経営権維持についてのセブン&アイからの継続的な支持を獲得するために、過大な対価を供与する試みである可能性があると捉える余地があると見ています。アインは、結局、自社の中核事業である調剤薬局事業とは何の関連性もなく、長年にわたって事実上何の成長も遂げていない会社を、すでに当時の市場価格に対して50%のプレミアムが付されたMBO時の2倍のPERかつ3倍の株式価値で買収しようとしています。アインは、過去に行った買収のEV/EBITDA倍率をIR資料で開示し、割安な買収実績を喧伝してきており、このような中での一貫性の欠如がより一層本件買収の特異性を際立たせています。Francfranc買収のEV/EBITDA倍率はアインによって開示されていないものの、10倍程度であると推定され、過去の買収のEV/EBITDA倍率5倍程度を大きく上回り、同じく5倍程度であるアインのバリュエーションよりもはるかに高くなっています。さらにこのような価値を毀損しかねない取引でありかつアインにとって過去最大の買収が、M&Aの専門家である服部氏を新たな取締役候補として推薦した7月30日の定時株主総会の直前にアインの取締役会で承認されたことも注目すべきです。本件買収の発表後2日間で、アインの株価は12%以上も急落しており、本件買収が不合理なものであり、市場が全く評価していないことの証左です。したがって、本件買収は、アインの企業価値を向上させる最善利益のために行われたものでない可能性があり、むしろ大谷氏の経営権維持のためにアイン大株主であるセブン&アイを含む株主から、現経営陣に友好的な議決権行使やその他の支援を確保するために特定の株主、すなわちセブン&アイとの関係を強化することを潜在的に企図して、同社にとって有利な取引を行った可能性があるとオアシスは考えます。
また、オアシスは、少なくともセブン&アイの立場において、伊藤順朗氏は、Francfranc株式の処分のための意思決定プロセスから除外されていないと認識しています。これは、セブン&アイにおいて本件買収の利益相反状況に関する注意を欠いていたことを示しており、アインにおいて利益相反状況に対応するために適切な手段が講じられていたのかに関する疑問を生じさせます。
オアシスはアインに対して新株発行による調達を通じた既存株主の希薄化を行わないように警告
オアシスはアインに対して、本件買収のための資金調達を、第三者割当やその他の手法での新株発行によって行わないように警告いたします。オアシスはこのような新株発行がオアシスや他の一般株主の持ち分を希薄化させ、アインの友好的な株主による保有比率を引き上げるための便法として用いられる可能性があると考えております。既存株主は、本件買収のような無分別な買収を推進するために株主持分が希薄化されるべきでなく、本件買収に伴う資金調達は借入れによるべきです。また、アインはいわゆるシニアローンで十分な調達が可能であるとオアシスは考えておりますが、これが難しいとアインが主張される場合はメザニンローンの提供などを通じてアインの資金調達を援助する用意があります。
株主提案
アインの企業価値の向上を目指し、オアシスは、来る7月30日の定時株主総会においてアインが提案する「社外」取締役候補者である木村氏の選任に反対票を投じると共に、オアシスの株主提案に賛成票を投じるよう、株主の皆様に再度、強くお願いいたします。
- 反対推奨:新任取締役としての木村氏の選任
- 賛成推奨:現任取締役である山添氏、伊藤氏の取締役解任
- 賛成推奨:新任の社外取締役候補者4名(吉武氏、前田氏、Dmitrenko氏、新森氏)の選任
- 賛成推奨:社外取締役に対する新たな報酬制度の導入
オアシスの提案の詳細については、www.AinCorpGov.comをご覧ください。アインのガバナンスをより良くするために、すべてのステークホルダーがオアシスの連絡先AinCorpGov@oasiscm.comに連絡することを歓迎します。
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オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、さまざまな国やセクターにわたる幅広いアセットクラスの投資機会にフォーカスしている投資ファンドです。オアシスは、現在最高投資責任者 (CIO) を務めるセス・H・フィッシャーによって2002年に設立されました。オアシスに関する詳しい情報は、https://oasiscm.comをご覧ください。オアシスは日本の金融庁の「責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)」を遵守し、この原則に沿って投資先企業のモニタリングおよび、エンゲージメントを行っています。
本プレス・リリースの情報と意見は、Oasis Management Company Ltd(以下、「オアシス」とする)が情報提供目的またはご参考に供する目的でのみ提供するものです。本プレス・リリースは、受領者に対して、 オアシスと共同して特定の会社の株券その他の金融商品取引法における大量保有の状況等に関する開示制度の対象となる有価証券を取得し、若しくは譲渡し、又は議決権その他の権利を行使することを勧誘あるいは要請するものではありません。そのような共同行動をとる株主は大量保有の状況等に関する開示制度の共同保有者とみなされ、共同保有者は一般への情報開示のために合算した保有株式数を関係当局に報告しなければなりません。オアシスは、そのような報告が必要とされる共同保有者としての合意を明示的に締結する例外的な場合を除き、共同保有者としての報告義務を発生させる一切の行為を行わないことをご了承ください。 なお、本書の内容は、オアシスの所見、解釈、および評価にとどまります。
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