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カブリ財団が倫理、科学、公共を研究する2つのセンターを開設し、科学的発見から生じる倫理的影響を探求する上で一般市民の関与を促進


カリフォルニア大学バークレイ校とケンブリッジ大学に設立されるセンターでは、科学的発見の倫理的・社会的影響を認識し、早い段階で一般市民の関与を図り、意識的な意見交換を促すよう、科学者に研修を提供します。



ロサンゼルス--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 科学的発見は自然と人類に対する理解を深め、日々の生活に変化を与える可能性を持つと同時に、倫理上の懸念や社会へのリスクをもたらし得るものでもあります。

最先端の神経科学、遺伝学、人工知能は、誰が科学的発見の幅広い倫理的検討事項に責任を持つのか、影響とリスクを検討する時期はいつが最適なのか、こうした議論に参加する力を一般市民に与えるにはどうすればよいかといった議論の必要性を高めている代表的な例です。

カリフォルニア大学バークレイ校とケンブリッジ大学の2つのカブリ倫理・科学・公共センターは、科学的発見から生じる倫理的検討事項と影響を特定し、探求することを目的に設立されます。

カブリ財団が持つセンターの構想は、現時点では満たされていない科学界のニーズをかなえるためのパラダイムシフトであり、科学的発見プロセスの早い段階で社会への影響の可能性を見出して議論するために、一般市民、科学者、倫理学者、社会科学者、サイエンス・コミュニケーターをつなぐことを目的に行われる将来を見越した持続的な取り組みです。

カブリ財団のシンシア・フレンド理事長は、次のように述べています。「科学的発見とその倫理的側面に関する思考、協力、コミュニケーションの方法を民主化し、そのプロセスへの一般市民の関与を図る取り組みを始めます。これは、もっと前から実行するべきだったことです。」

現在まで、科学的プロセスの早い段階で意図的に一般市民を巻き込み、科学的発見から生じる倫理的影響へ対処する将来を見越した持続的な取り組みは存在しませんでした。また、科学界において一般市民を関与させるべきだという認識は高まっていましたが、それを実行する仕組みと基盤が欠けていました。一般市民は多くの場合、こうした重要な議論から取り残されがちで、また、関与した場合も時期が遅すぎるといった事態が生じています。

カブリ財団のブルック・スミス公共関与担当ディレクターは、次のように述べています。「当財団はカブリ倫理・科学・公共センターと共に、科学的発見から生じる倫理的検討事項について、意図的な早期の公共関与を可能にする基盤の構築に必要な行動を起こしていきます。」

2つの研究所は、その構想、手法、経験に基づいて、この新しい取り組みのために選ばれました。両研究所とも多面的であり、科学と人文科学の各分野を横断して協力する手法において相互に補完しつつ、両研究所独自の優先分野に注力していきます。

カリフォルニア大学バークレイ校カブリ倫理・科学・公共センターは、神経科学、遺伝学、人工知能の分野を手始めに、科学者が受ける指導を再構想します。センターを主導するのはAI専門家のスチュアート・ラッセル氏で、その他に宇宙の加速的膨張に関する初期の証拠を発見したノーベル賞受賞者のソール・パールマッター氏、ゲノム編集ツールのCRISPRの発見で知られるノーベル賞およびカブリ賞受賞者のジェニファー・ダウドナ氏、理論・道徳哲学者のジェイ・ウォレス氏、生命倫理学者のジョディ・ハルパーン氏、神経科学者のジャック・ギャラント氏、歴史学者で著作家のエレナ・コニス氏も加わっています。

カリフォルニア大学バークレイ校カブリ倫理・科学・公共センターの初代センター長を務めるスチュアート・ラッセル氏は、次のように述べています。「カブリ財団より刺激を受けたことが、バークレイの人文科学、社会科学、自然科学、工学の比類ない人材を動員し、急速に進歩する科学・技術的能力が人類に利する方向へ向かっているかをどうすれば確かめられるかという、人類の緊急課題に取り組むための協力につながりました。」

ウェルカム・コネクティング・サイエンスと他に例のない協業を行うケンブリッジ大学カブリ倫理・科学・公共センターは、国際的に有名な社会科学者で遺伝カウンセラーのアンナ・ミドルトン氏が主導します。その他に、社会学者で生命倫理学者のリチャード・ミルン氏、ジャーナリストでブロードキャスターのキャサリン・ギャロウェイ氏からサポートを受け、ブロードキャスターのビビアン・パリー氏(OBE)が持つクリエイティブ業界の専門知識、スーザン・ロバートソン氏の教育の社会学の専門能力、ジュリアン・レイナー氏のゲノミクスと公共関与の専門知識が活かされます。英国、中国、ロシア、インド、日本の倫理および公共関与の専門家ネットワークを活用する新しいセンターは、ゲノミクス、ビッグデータ、医療研究、新興技術の分野において科学が引き起こす倫理的影響に対して、さまざまな文化的背景の下で取り組みを行う方法を模索します。

ケンブリッジ大学カブリ倫理・科学・公共センター長のアンナ・ミドルトン氏は、次のように述べています。「DNAの構造の発見から、世界のCOVIDウイルスの20%のシークエンシング、最初の人工知能の開発まで、ケンブリッジは何世紀にもわたり科学の最先端に立ってきました。大衆文化の専門家との協力を通じて、社会に対する科学の影響に関して私たち全員が意思決定に参加できるよう、科学によって提示された倫理的問題をめぐる複雑な考えを伝えるための根拠の基盤を見出していきます。」

センターのアイデアは、脳活動のデコーディングから人工細胞の作成にわたる影響力のある変革的な科学研究が行われている世界20カ所のカブリ研究所での研究を含む、カブリ財団の科学と社会に関する活動と経験によって発想されました。

フレンド氏は、次のように述べています。「これは、はるか以前に始まっているべきだった、科学にとって重要な取り組みです。社会における科学の将来的な役割に対してカブリ倫理・科学・公共センターが与える影響に期待しています。」

カブリ財団は、人類の利益のための科学の前進に傾注しています。当財団のミッションは世界のカブリ研究所を通じて、また、宇宙物理学、ナノサイエンス、神経科学、理論物理学の分野の基礎科学をサポートするプログラム、科学と社会の関係を強化するイニシアチブ、国際カブリ賞やAAASカブリ科学ジャーナリズム賞を含む賞と栄誉により実践されています。詳細については、kavlifoundation.orgをご覧になるか、@kavlifoundationをフォローしてください。

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