保育に特化した人材サービスを提供するベルサンテスタッフ株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役:中野 栄造)は、11月25日の「先生ありがとうの日」に向けて、保育士一人ひとりが取り組む“名もなき保育”について独自調査を実施し11月22日に公開しました。
ここでの“名もなき保育”とは、「保育所保育指針や教科書には載っていないような、ささやかながらも円滑によりよい保育をするために大切な仕事」と定義しています。その結果、園児だけでなく保護者や仲間に対する細かな心遣いや工夫、知恵を知ることができました。
今回は、「園児とのコミュニケーション」「保護者とのコミュニケーション」「職場仲間とのチームワーク」「事務仕事」「環境整備」「行事準備・遂行」の6つの分野における“名もなき保育”の実態を調査しました。保育現場で実際にどのような取り組みが行われているのか、それぞれの分野からご紹介します。
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調査の目的・背景
25年間にわたり保育人材サポートを提供してきた当社は、保育の仕事の価値向上を目指し、保育従事者の想いや取り組みを調査・発信しています。
調査概要
● 調査方法:インターネット調査(アンケートフォームを活用したアンケート調査)
● 調査対象:保育士を中心とした保育従事者
● 有効回答数:52名
● 調査機関:自社調査
● 調査期間:2024/10/25~2024/11/10
調査トピックス
● 回答者全員が園児とのコミュニケーションにおける“名もなき保育”をしている
● すべての分野において、園の方針よりも個人としての取り組みで行われることの方が多い
● 業務全体を通して、“名もなき保育”の重要度は非常に高いと感じている
主な調査結果
1. 園児とのコミュニケーションにおける“名もなき保育”
園児とのコミュニケーションは保育の仕事の中心といえます。園児に対して“名もなき保育”をしている保育従事者は、なんと100%という驚きの結果を得ることができました。
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具体的に、どのような“名もなき保育”をしているのか、特に印象的だった回答を抜粋してご紹介します。
●家庭環境の変化(お母さんが妊娠中・弟や妹が産まれた、両親どちらかが出張中など)がある場合は普段より更にスキンシップを増やす意識をする。保育園で過ごす時間は長いので、少しでも親代わりのようになれるよう、スキンシップで愛情表現をしていました!
●給食で苦手な物がある子どもにも、美味しく食べてもらえるように、関連する絵本を読んだり給食調理師さんと連携をとっています。またその食材がどのように作用するのかについても子どもが分かりやすい言葉選びを意識し伝えています。例えば「キノコはお腹のお掃除(食物繊維が豊富だから)をしてくれるよ」など。
●おむつ替えの時、業務的にただ替えるだけではなく、お話ししたり、コミュニケーションをしっかり取りながら替えています。嫌がる子も多いので、表情や声かけを工夫しながら楽しい時間になるよう心がけています。
園児とのコミュニケーションにおける“名もなき保育”は、およそ80%が個人の取り組みとして行っていることがわかりました。
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2. 保護者とのコミュニケーションにおける“名もなき保育”
保護者とのコミュニケーションは、園児の家庭での状態を知るためにも重要な仕事です。こちらに関しては、92.3%もの保育従事者が“名もなき保育”をしているという結果になりました。
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具体的に、どのような“名もなき保育”をしているのか、特に印象的だった回答を抜粋してご紹介します。
●子どもだけでなく、保護者の体調面にも気を配って声をかけるようにしています。子どもの風邪が移ってしまうことも多いですし、風邪が長引いて仕事を長く休まざるをえなかった時など「大変でしたね」「お家で保護者さん自身はゆっくり休めてますか?」などと声をかけることで、頑張りを見ていることや応援していることを伝えられたらと思っています。
●子ども同士のトラブルがあり、怪我をさせたorさせられたなどの報告をする際、マイナスな報告だけにならないように、報告後はその日にあったその子の良いところや頑張っていたところなどプラスの報告も添えるようにしていました!そうする事で少しでも保護者の方のメンタルケアになれば…と思っています。
●食事中やトイレなどで汚れたお洋服を水洗いした後、汚れ物の袋とは別の袋に入れています。また、午睡でおねしょをしてしまったお布団や敷きカバーなどは園で洗濯をしてからお返ししています。
保護者とのコミュニケーションにおける“名もなき保育”は、77.1%が個人の取り組みとして行っていることがわかりました。
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3. 職場仲間とのチームワークにおける“名もなき保育”
保育現場での職員同士の連携は必要不可欠です。職場仲間とのチームワークにおける“名もなき保育”をしている保育従事者は、92.3%にものぼりました。
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具体的に、どのような“名もなき保育”をしているのか、特に印象的だった回答を抜粋してご紹介します。
●雑務を任されがちな先生にはタイミングを見てお礼の言葉を伝え、仕事を自分が代わったりしています。遅番の先生には出来るだけ遅めに休憩に入ってもらったり。感謝の言葉と労いの言葉を沢山言うようにしています!
●行事前など残業が多くなっている先生がいたら、他クラスでも手の空いている先生に声を掛けて一緒に手伝うようにしています。みんなで楽しい話をしながら残業が少しでも苦にならないような雰囲気作りを意識していました。
●複数名でシフトを回しているので、次の勤務に入られる先生が気持ちよく仕事ができるように準備を完璧にしておいたり、感染症が流行る時期はママさんの欠勤や早退が多くなるので仕事が属人化しないように工夫しています!
職場仲間とのチームワークにおける“名もなき保育”は、約80%もの保育従事者が個人の取り組みとして行っているという結果になりました。
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4. 事務仕事における“名もなき保育”
保育の仕事を円滑に進めるために欠かせない事務仕事における“名もなき保育”については、回答がはっきりと分かれましたが、“名もなき保育”をしているという人が半数を超えました。
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具体的に、どのような“名もなき保育”をしているのか、特に印象的だった回答を抜粋してご紹介します。
●デジタル化してきて文章もタブレットで打ち込んだり、写真を保存しておいたりする機会も増えたのですが、各機器の充電が十分かどうかや、不必要なデータがいつまでも残らないよう定期的にチェックし合って削除したり、ファイリングも後回しにしないことを心がけています。
●消耗品の在庫チェック表には数量だけでなく、使用期限も書いています!(消毒液、非常食など)
●記録の書き写しなど、非常勤でも対応できるところは積極的に進めておきます。保育中の出来事は、口頭で報告してもクラスノートへの書き込みを欠かしません。多忙な担任先生は記憶しきれない場合があるため。
事務仕事における“名もなき保育”は、個人の取り組みとして行う場合が多いと回答した人が70.4%にのぼりました。
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5. 環境整備における“名もなき保育”
園児たちが安全にのびのびと過ごすための環境整備。80.8%もの保育従事者が“名もなき保育”をしているという結果になりました。
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具体的に、どのような“名もなき保育”をしているのか、特に印象的だった回答を抜粋してご紹介します。
●なんでも子どもが使いやすい大きさに揃えておく。固形石鹸は1/3ほどの大きさに切るなど。給食時は、食べることに集中できるように棚にカバーをかけている。
●子どもたちが使うトイレットペーパーは、無駄のないように1回分を切って置いておく。
●通年で行っていますが、特に胃腸炎が流行る時期は室内で嘔吐をする場合があるので、嘔吐物の処理をするセットを常に用意。流行る時期は2〜3セット用意していました。少しでも感染を防ぐためにこの用意は必須でした!
およそ60%の保育従事者が環境整備における“名もなき保育”を個人での取り組みとして行っているとのことでした。
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6. 行事準備・遂行における“名もなき保育”
保育園では、年間を通してさまざまな行事が実施されます。65.4%の保育従事者が行事準備・遂行における“名もなき保育”を行っているという結果になりました。
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具体的に、どのような“名もなき保育”をしているのか、特に印象的だった回答を抜粋してご紹介します。
●子ども達の普段の様子をよく観察し、子ども達が興味をもっていること、好きなことを行事で行うようにしてる。大人がしたいことをして子どもに負担をかけないようにしている。
●仕事終わりや休日の外出中に100円ショップや雑貨店に寄り、良さげなものがあれば商品とタグの部分を写真に収めている。暇なときはインスタやX(旧Twitter)、YouTube、他にも複数のサイトで行事にまつわる製作物のネタ集めをしたり、歌や手遊びを覚えたり、行事の説明の仕方を考えたりしている。
●行事や保育のネタ探しは、休日でも意識的にしていました。また休日の出掛け先でも、遊びなど保育のヒントになるものを見つけたらメモしていました。保育士あるあるだと思いますが、休日も頭の片隅に保育士モードが残っています。
行事準備・遂行における“名もなき保育”については、個人の取り組みとして行っている人が91.2%にものぼりました。これは6つの分野のなかで最も高い割合です。
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7. “名もなき保育”全般
業務全体を通して“名もなき保育”がどれくらいの割合を占めているかを質問したところ、「60〜70%程度」という回答が最も多く、2番目に「40〜50%程度」、3番目に「80〜90%」が多いという結果になりました。
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また、“名もなき保育”の重要度については、36.6%の保育従事者が「90〜100%程度」、26.9%の人が「80〜90%程度」と、高く評価していることがわかりました。
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今回の調査を通じての考察
「保育所保育指針や教科書には載っていないような、ささやかながらも円滑によりよい保育をするために大切な仕事」を“名もなき保育”と定義して、保育現場で実際にどのような取り組みが行われているのかを調査しました。
名もなき保育は多岐に渡るため、今回は「園児とのコミュニケーション」「保護者とのコミュニケーション」「職場仲間とのチームワーク」「事務仕事」「環境整備」「行事準備・遂行」の6つの分野に分けて調査を実施。多くの保育従事者の方々から細部まで配慮の行き届いた知恵と工夫、そして園児・保護者・仲間への愛にあふれた想いを伺うことができました。
大多数の保育従事者が“名もなき保育”を非常に重要な仕事であると感じており、業務全体において占める割合も高いと回答していることも印象的です。マニュアル化の難しい“名もなき保育”なしに、質の高い保育は提供できないのかもしれません。
11月25日は「先生ありがとうの日」。この機会に、子どもたちの健やかな成長とそれが叶う安心安全な環境づくりのため、尊い仕事を日々こなしてくださっている全国の保育従事者のみなさんに感謝をしてみませんか。
ベルサンテスタッフ公式noteでは、アンケートに回答いただいた保育従事者の方々からの「先生ありがとう」メッセージを全文公開しています。ぜひご覧ください。
▼ベルサンテのnoteはこちら▼
https://note.com/bell_pr/n/n8f29fa8e31ba
会社概要
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会社名:ベルサンテスタッフ株式会社
所在地:大阪市淀川区東三国5丁目15番14号(大阪本社)
代表者:代表取締役 中野 栄造
設立:2012年4月(創業:1974年)
URL:http://www.bellsante.co.jp/
事業内容:人材派遣事業 / 人材紹介事業 / イベント事業 / 求人サイト運営、ホームページ制作事業
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