字幕電話サービス
株式会社ネクストジェン(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員 社長:大西 新二)と株式会社アイセック・ジャパン(本社:沖縄県うるま市、代表取締役 一瀬 宗也)は、聴覚障害者向け字幕電話サービスの開発とサービス提供に向けた協業覚書を締結いたしました。
背景
聴覚障害者の電話利用を支援する「電話リレーサービス」が2021年7月より国の法律に基づくサービスとして開始されました。
「電話リレーサービス」は聴覚障害者の電話による意思疎通をオペレーターが手話や文字で仲介(リレー)するもので、聴覚に障害を持つ方々から高く評価をされています。
一方、聴覚障害者手帳をお持ちの方約36万人のうち、手話がわかる方は7万人程で約29万人の方は筆談や読話でコミュニケーションをとっていること、また、障害者手帳をお持ちでなくても聞こえに不自由を感じている方は1420万人程とされている状況※から、いくつかの課題もあります。
※出典:日本補聴器工業会
<電話リレーサービスの課題>
1.手話(ビデオ)リレー・文字リレーに限定されている
・手話やスピーディなチャットスキルが必要で高齢者などには難しい
・銀行などの本人が窓口に行く必要がある場合対応できない場合がある
・海外では字幕付き電話や音声リレーサービス※などのサービスも選択できる
※言語障害者の不明瞭な音声をオペレーターが復唱し通話相手に伝えるサービス
2.普及に時間がかかる
・今回の電話リレーサービスの法制化には、字幕付き電話がスタート時点では含まれておらず、利用できるのは数年先と想定
→ 米国では電話リレーサービスの利用者推定100万人のうち字幕付き電話の利用割合は74%
高齢化社会が進むにつれてその利便性が認知され需要拡大
こうした状況をふまえ、ネクストジェンとアイセック・ジャパンは、電話利用の支援が行き届いていないとされる、聴力が衰えた高齢者や難聴者、中途失聴者など、発話は出来るが相手の声が聞き取りづらい方々向けに、通話相手の音声をオペレーターまたは音声認識システムでテキスト化し表示する『字幕電話サービス』の開発を共同で進めることにいたしました。
ネクストジェンは20年に亘りボイスコミュニケーションを主軸とした事業を展開しており、今回の字幕電話サービスには、自社のクラウド型APIサービス ( CPaaS )、音声認識、クラウド音声サービスの技術を活用いたします。産学連携により開発した音声認識エンジンをはじめ、様々な音声認識エンジンとの連携実績を持つネクストジェンの音声認識基盤および通信技術と、聴覚障害者向け電話支援におけるアイセック・ジャパンの専門的な知識と人材を融合させることによりハイブリットな『字幕電話サービス』の提供を目指します。
字幕電話サービスの概要
聴力が衰えた高齢者や難聴者、中途失聴者など、発話は出来るが相手の声が聞き取りづらい方(利用者)が電話をする際に、通話相手の音声をスマートフォンやタブレット端末、またはパソコンに字幕表示させるサービスです。
字幕作成は専門のオペレーターが会話を聞きながらテキスト化する方法と、音声認識システムが音声をリアル タイムでテキスト化する方法の2つがあります。
● 人とAIによるハイブリットの字幕作成
・ アイセック・ジャパンで実績のある専門のオペレーターによる正確できめ細やかな音声のテキスト化を提供
・ オペレーターが対応できない場合などは音声認識システムがオペレーター業務を代行
● マルチキャリア&マルチデバイス対応のサービス提供
通信キャリア各社の電話回線との接続実績を持つネクストジェンのCPaaS、および複数の通信事業者のサービスに採用されている音声認識基盤とクラウド音声サービス技術を活用し、特定のキャリアやデバイスに縛られずに利用できるサービスとして提供。
字幕電話サービス イメージ
画像 : https://newscast.jp/attachments/9pukkXPjWdCW6B59vPVV.png
字幕電話サービス
※通話相手から利用者へ電話をかけることも可能
利用者には字幕電話サービス専用の電話番号を提供。
通話相手が電話をかけることで予め設定された状態(オペレーター介在もしくは自動音声認識)で利用者との通話が可能。
サービス提供スケジュール
実証実験時期:2022年5月~6月予定
提供開始時期:2022年10月予定
今後の展開
背景で述べたように、日本国内で字幕電話サービスの対象となる方は、手話ができるろう者約7万人に比べ圧倒的多 数で、潜在的な需要者も10万人以上に上ると推定されます。
字幕電話サービスは多くの方のお役に立てるサービスとして、電話リレーサービスと同程度の金額でのご提供を目指しており、総務省が掲げるICT政策の一つである「情報バリアフリー環境の整備」の推進にも寄与してまいります。
字幕電話サービスはネクストジェンとアイセック・ジャパンで展開を進め、アイセック・ジャパンの関連会社パートナーである合同会社シーコミュ(所在地:沖縄県 うるま市、代表 一瀬 宗也・大木 洵人)が実証実験のコーディネーションと販売パートナーを広く募集しサービス提供を行っていく予定です。
アイセック・ジャパンについて
アイセック・ジャパンは2008年の創業以来、聴覚障害者向けのライブ字幕配信サービスの草分けとして、2013年に武雄市議会へのライブ字幕提供を皮切りに、東京都千代田区議会・港区議会、福井県議会、2015年に仙台で開催された国連防災会議へのライブ字幕提供、筑波技術大学、沖縄大学、武庫川大学、大泉高校などの高等教育へのライブ字幕の提供など、聴覚障害者の社会参画、アクセシビリティの向上を支えてまいりました。
また、聴覚障害者向けの電話リレーサービスを2013年から日本財団のプロジェクトに参画し、国の制度化の実現に貢献してまいりました。
公式 Web サイト: http://www.iscecj.co.jp/
公式 Facebook ページ: https://www.facebook.com/iscecjapan
本件に関するお問い合わせ先
株式会社ネクストジェン 経営企画部
お問い合わせフォーム:https://www.nextgen.co.jp/contact/