様々な変革や混乱が続く昨今、経営者は自社の変革力を把握するための最適な方法を探しています。この問題を解決すべく、ベイン・アンド・カンパニーは、チェンジ・パワー・インデックスを導入しました。これはビジネスの変革力と、業績を関連づけ、戦略的に重点領域を強化することで企業の変革と成長を促進するための強力なツールです。
企業の変革力を測定し、ベンチマークとなる他社と比較しチェンジ・パワーを測定することで、経営層は自社事業に不足していることや、変革力を強化するための重点領域を見極めることができます。チェンジ・パワー・システムがはじき出すスコアには業績との強い関連性が見られます。スコアの高い企業は競合よりも利益性に優れ、収益成長ペースが速く、高い株主還元率を実現しています。こうした企業はリーダーシップや企業文化に関する評価が高く、高い従業員エンゲージメントによって支えられています。
ベインのチェンジ・マネジメントプラクティスのグローバル責任者を務めるデイヴ・マイケルズは、次のように述べています。「チェンジ・パワーは経営層が自社の変革力の強みと弱みの両方を把握することに役立つ強力なツールです。このようなスキルは事業規模の大小に関わらず非常に重要ですが、今回このツールで始めて変化を可能にしたり推進する様々な要素を分類できるようになりました」
このツールは、組織が持つ変革力を決定づける9つの重要な特性と能力に着目して、企業の変革力を測定します。企業は自社の組織をこの指標と照らし合わせ、変化のキャパシティを判定し、ベンチマークとなる他社と比較することにより、市場における自社の競争力を把握することができます。以下がその9つの特性と能力です。
• 目的 - 所属意識を生み出し、判断の指針となり、行動を促す目的がある
• 方向性 - 目的を計画に移し、目標とそこに到達する明確な方法がある
• つながり -インフルエンサーや支持者のネットワークを生み出すことができる
• キャパシティ - 変化の上限を定義することでより多くの変化を受け入れられるようにしている
• 段取り - よりダイナミックな動きを促し、変化の優先事項を見極め、施策の順序を決めている
• 規模拡大 - 好循環を生み出し、イノベーションを広げ、インパクトを増強させる
• 発展 - 成長のための準備を整え、確実な学びと変化を実現している
• 行動 -やればできるという精神と変化を優先する傾向を育み、組織の勢いを加速させている
• 柔軟性 - 常に変化を先取りし、どのように仕事をするか、さらには仕事とは何かを再検討する
ベインのワシントンDCオフィスのエキスパートパートナーで、コ・クリエーション・センター・オブ・エクセレンスを率いるケヴィン・マーフィーは次のように述べています。「私たちは、変革を成功させるために鍵となる3つの要素を特定しました。それは変化を率いるリーダーがいるかどうか、明確な変化のための計画、変化を実現させるチーム編成の3つです。企業の経営層は今回初めて、変化を実現する個々の要素に着目することにより、対策が必要な領域を特定できるようになりました」
ベインはチェンジ・パワーの調査から、多くの企業が下記の4つの企業タイプに分類できることが分かりました。
① フォーカス分野を模索中の企業:非常に動きが活発で、多くの成果を上げてきた。イノベーションが途絶えることがなく、従業員には多くの仕事をこなすキャパシティがある。しかしこうした企業は、皆が目先のことに囚われているケースがあり、統計的に方向性、目的、つながりに弱さがある。
② 立ち往生し、懐疑的な企業:優れたアイデアを持っていて、成功の実績もあるが、変化がローカルレベルに留まってしまう例が散見している。こうした企業は手掛けている仕事の全体範囲を過小評価する傾向がある。一般的に、規模拡大、行動、つながりに弱さがあり、イノベーションが失速し、組織全体に行き渡っていない。そのため従業員は苛立ち、エンゲージメントが低下している。
③ 足並みは揃っているが、束縛が強い企業:従業員は1つのユニットとして力を発揮し、団結力が強く、同じ方向に向かっているが、初期の成功体験に縛られて、やがて厳しい束縛を感じるようになる。こうした企業ではしばしば、より大規模な変化と、それに伴う混乱を管理する重要な役割を担う人材が不足している。このような企業は、キャパシティ、発展、つながりの要素で苦戦している。
④ ペースを保てない企業:困難な状況の中でも前進するために、チームワークを強化する必要がある。互いに助け合い、時には自らを犠牲にして、チームとして働くための計画を立てる必要がある。このタイプの企業は一流アスリートと同じように、ひたむきかつ行動を重視する姿勢で結果を出してきた。ところがレースが進むにつれて疲労が蓄積してくると、次第に順応力の重要性が増してくる。しかし、これらの企業には柔軟性、段取り、規模拡大に弱さがあるため、なかなか対応できない。長所であったはずのひたむきな姿勢が短所に変わり始める。
デイヴ・マイケルズは次のように述べています。「大きく環境が変わっていく昨今では、企業はこれまで以上に素早く変化に順応する必要があり、企業変革力の強化が不可欠です。その実現方法は企業のタイプごとに異なりますが、まずは自社がどのような企業なのかを知ることが先決です。この画期的なツールの導入を通して、クライアントと協働しながら、変革力を再発見、再定義、再発明していくことを心から楽しみにしています」
ベイン・アンド・カンパニーについて
ベイン・アンド・カンパニーは、未来を切り開き、変革を起こそうとしている世界のビジネス・リーダーを支援しているコンサルティングファームです。1973年の創設以来、クライアントの成功をベインの成功指標とし、世界38か国61拠点のネットワークを展開しています。クライアントが厳しい競争環境の中でも成長し続け、クライアントと共通の目標に向かって「結果」を出せるように支援しています。ベインのクライアントの株価は市場平均に対し約4倍のパフォーマンスを達成しており、私たちは持続可能で優れた結果をより早く提供するために、様々な業界や経営テーマにおける知識を統合し、外部の厳選されたデジタル企業等とも提携しながらクライアントごとにカスタマイズしたコンサルティング活動を行っています。
商号 : ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
代表者 : 奥野 慎太郎(日本における代表)
所在地 : 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー8階
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