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ブルーカーボン事業


地球全体の炭素(ブルーカーボン)循環図(図1)

2020年7月15日、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所(所在地:東京都三鷹市、理事長:栗山 善昭)、桑江 朝比呂(海上・港湾・航空技術研究所 沿岸環境グループ長)、笹川平和財団(所在地:東京都港区、理事長:角南 篤)は、「ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)」(2020年7月14日、国交省認可)を設立しました。

近年、世界各国で地球温暖化への対策が求められるなか、二酸化炭素を吸収する新たな選択肢として沿岸域の藻場、浅場などの海洋植物によるブルーカーボン生態系が注目されています。地球温暖化変動対策にブルーカーボンを利用するためには、公共事業、自治体、市民、企業の参画が必要です。しかしながら、日本では持続可能な利用を推進するための技術や投資効果を図る仕組みが課題となっています。JBEは、日本初のブルーカーボンに関する技術組合として設立されました。
JBEは、科学、技術、社会、経済の4つの方法論によるアプローチから、日本の沿岸域におけるブルーカーボン生態系の保全、沿岸域の気候変動対策を促進し、海洋植物によるブルーカーボンの定量的評価を可能とする技術開発及び資金メカニズムの導入等の試験研究を行います。


1.組合概要
名称 : ジャパンブルーエコノミー技術研究組合
理事長 : 桑江 朝比呂
所在地 : 神奈川県横須賀市長瀬三丁目1番1号 港湾空港技術研究所内
組合員 : 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
桑江 朝比呂(海上・港湾・航空技術研究所 沿岸環境グループ長)
公益財団法人笹川平和財団
事業内容: (1) 沿岸域における環境価値の定量的評価に関する試験研究
(2) 沿岸域における環境価値の創造と増殖に関する試験研究
(3) (2)の実施に伴う社会的コンセンサスの形成に関する試験研究
(4) (2)の実施領域への新たな資金メカニズムの導入に関する試験研究
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/220962/LL_img_220962_1.jpg
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2.組合員の役割分担およびその内容

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3.研究体制

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/220962/LL_img_220962_3.png
ブルーカーボン事業

4.用語の説明
(1)ブルーカーボンとは
海洋生物によって大気中のCO2が取り込まれ、海洋生態系内に貯留された炭素のことを、2009年に国連環境計画(UNEP)(*1)は「ブルーカーボン(以下BC)」と名付けた。陸域や海洋は、地球における炭素の主要な貯蔵庫となっているが,海洋が炭素貯蔵庫として特に重要なのは、海底泥中に貯留されたBCが長期間(数千年程度)分解、無機化されずに貯留される点である。海底には年間1.9~2.4億トンの炭素が新たに埋没し貯留されると推定され、浅海域はそのうちの約73~79%(1.4~1.9億トン)を占めるとの報告がある(図1)。したがって、温室効果ガスのうちもっとも主要なCO2を大気外へ隔離し貯留させる仕組みが、海洋生態系とりわけ浅海域において有効に機能している。
なおBCを構成する生態系には、塩性湿地、海草藻場、マングローブ林が、上述のUNEPの報告書では挙げている。
海洋を利用した気候変動緩和策にはBCの他に、洋上風力発電等の海洋再生可能エネルギーの推進や海運からの温室効果ガス排出削減、食生活の変化、海藻養殖の推進などがある。パリ協定が掲げた、産業革命前からの世界平均気温上昇をできるだけ1.5℃以内に抑えるという目標に対し、海洋を利用した緩和策は6~21%貢献しうると言われている。そのうち、BCは海藻養殖まで含めると、最大で2.4%貢献する(*2)。
なお海藻はBC生態系には含まれていないが、そのポテンシャルに注目が集まり、国際的に新たなBCの候補として議論が展開されている分野である。日本およびアジアは海藻の食文化としての利用や養殖技術に優位性を有しており、例えば養殖の99%がこの地域で生産されている(*3)。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/220962/LL_img_220962_4.png
地球全体の炭素(ブルーカーボン)循環図(図1)

(2)沿岸域における気候変動対策事業および本技術研究組合の事業内容
海洋を利用した気候変動緩和策にはBCの他に、洋上風力発電等の海洋再生可能エネルギーの推進や海運からの温室効果ガス排出削減、食生活の変化、海藻養殖の推進などがある(図2)。パリ協定が掲げた、産業革命前からの世界平均気温上昇をできるだけ1.5℃以内に抑えるという目標に対し、海洋を利用した緩和策は6~21%貢献しうると言われている。そのうち、BCは海藻養殖まで含めると、最大で2.4%貢献する。BC生態系の再生・利用はコストや技術的準備度の点に強みがある一方、攪乱や開発などに伴う排出リスクや検証性の点で課題を抱えていることが指摘されている(*4)。
こうした背景も鑑み、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合では、以下の様な事業を推進していく予定である。
・沿岸域が有する二酸化炭素の吸収(海藻を含めたブルーカーボン生態系)や沿岸域における活動の低炭素化等による気候変動対策手法の開発
・沿岸域の環境価値の「見える化」、「貨幣価値化」に基づく資金調達メカニズムの検討
例えば,
・地元の海での環境活動を全国に知ってもらい、活動資金を得たい
・自社におけるSDGsの取り組みを数値化したい、特にSDGs14(海洋)、SDGs13(気候変動)、SDGs6(水)に関して社会貢献したい
・目の前の海岸や岸壁に育っている海草、海藻が、どのくらい二酸化炭素を吸収しているか知りたい
といったニーズに対し、科学技術的な根拠、数値、経済価値あるいは具体的な手法によってお応えするための調査研究を、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合では進めていく。またBC以外の海洋を利用した緩和策(洋上風力発電等の推進、海運からの温室効果ガス排出削減など)についても、段階的に研究を進めていく予定である。

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/220962/LL_img_220962_5.png
海洋を利用した緩和策(図2)

ジャパンブルーエコノミー技術研究組合のホームページ
https://www.blueeconomy.jp/

情報提供元:@Press
記事名:「(国土交通大臣認可)「ジャパンブルーエコノミー技術研究組合」設立のお知らせ