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NSCと山形大学、世界初となるケミカル加工による自在湾曲可能な有機ELパネルを開発



可変曲面を実現する要素技術


可変曲面の有機ELパネル(最小曲率半径R100mm)

株式会社NSC(所在地:大阪府豊中市、代表取締役:川久 慶人)は、平成29年度経済産業省サポイン事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)※の支援を受け、山形大学 硯里研究室と共同で、昨年開発した高度化したケミカル加工技術による固定曲面のガラス製有機ELパネル(曲率半径R100mm)をベースに、更なるケミカル加工技術の高度化を行い、自在に湾曲させることができる可変曲面(最小曲率半径R100mm)のガラス製有機ELパネルを開発いたしました。

ガラス製有機ELパネルは、湾曲させることが難しいとされる中、ケミカル加工技術の高度化の進展により、大きく曲がる固定曲面だけでなく、自在に湾曲させることが可能になったことから、曲面が求められる様々な用途にも対応することができるようになります。



株式会社NSCがケミカル加工技術の更なる高度化を、硯里研究室が湾曲に対応する新たな封止構造の更なる改良を担当し、今回小判サイズ200×100mm、厚さ0.15mmで、自在に湾曲させることができる可変曲面(最小曲率半径R100mm)の有機ELパネルを試作いたしました。

本試作品は、2020年1月15日(水)~17日(金)に東京ビッグサイトで開催中の第12回オートモーティブワールドに出展しております。



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/202685/LL_img_202685_1.jpg

可変曲面を実現する要素技術



画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/202685/LL_img_202685_2.jpg

可変曲面の有機ELパネル(最小曲率半径R100mm)



<出展概要>

日時:2020年1月15日(水)~17日(金)

場所:東京ビッグサイト 青海展示棟 45-21ブース 山形大学 硯里研究室





【本件のポイント】

●株式会社NSCは、山形大学 硯里研究室と高度化したケミカル加工技術を用いたガラス基板ベースの自在湾曲可能な有機ELパネル(最小曲率半径R100mm)を世界で初めて開発しました。

●車載用ディスプレイ等厳しい環境での用途向けに、自在湾曲可能な有機ELパネルを安価に提供することが可能となります。





【背景】

未来の自動車として、自動車メーカーおよび電装メーカーの各社から、搭乗者が自然に情報を見ることができ且つインテリアデザインにマッチしたディスプレイや、快適に過ごすことが可能な「明かり」として曲面に沿う薄型なディスプレイ、面光源が提案されています。

しかし、この未来の自動車を実現するための車載用途の厳しい環境でも耐える曲面ディスプレイや面照明は、現在実現できていない状況です。

実現に向けて、有機ELパネルは、映像の黒の締まりや、色鮮やかさから注目されておりますが、水蒸気や酸素に対して敏感に劣化するため、水・酸素のパネル内部への侵入を厳重に抑制する必要があります。

自在に湾曲させることができる有機ELパネルの実現に向けては、これまでに以下2つの方法からアプローチをされております。



(1)樹脂基板:樹脂上に無機薄膜からなる水分バリア層を多層積層する方法

→水分バリア性能をガラス並にするために無機薄膜を多層積層するため、非常に高価になる問題が発生します。

(2)ガラス基板:薄板ガラス(厚さ0.1mm以下)を用いる方法。

→ガラスであるため水分バリア性能は非常に高いものの、その薄さから製造プロセス中に破損しやすいなどの問題が発生します。





【開発成果】

株式会社NSCは、大判のままケミカル研磨(化学研磨)する方式を用いたガラス基板の加工技術を保有する企業です。

株式会社NSCと山形大学硯里研究室は、ガラス基板をベースとした有機ELパネルのケミカル加工技術の更なる高度化により、安価で自在に湾曲させることができる有機ELパネル(最小曲率半径R100mm)の開発に世界で初めて成功いたしました。



本技術の特徴は、通常の大判厚板ガラス(0.5mm)に有機ELデバイス、湾曲に対応し得る封止構造を完成(総厚1.0mm)させた後に、ケミカル研磨方法を用いて総厚を0.15mmまで薄くし、且つケミカル分断方法を用いて、大判ガラスからパネルを分断することにより、微細な傷が無い状態でパネルを完成させることができ、自在に湾曲させることを可能とした点です。



この手法の利点は、有機ELデバイスを作製する際、通常の厚板ガラス(0.5mm)のハンドリングで良いため、薄板ガラス(0.1mm以下)のハンドリングのような破損をする恐れがなく、またケミカル加工工程(研磨工程および分断工程)を導入するだけであるため、設備投資が少なく、自在に湾曲させることができる可変曲面(最小曲率半径R100mm)の有機ELパネルを量産できる点です。



加えて、ケミカル加工は物理加工と比較して微細な傷が入りにくく、本来のガラスの強度を保つことが可能であることも本技術の利点となります。





【今後の予定】

大判対応の高度化ケミカル加工技術の完成および車載環境への適合性の確保(2020年3月サポイン事業最終年度)

量産時期:2021年度(目標)





※平成29年度経済産業省サポイン事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)

テーマ名「車載・屋外フレキシブル有機ELパネル用大型・高強度ケミカル加工と封止構造の開発」





【会社概要】

商号 : 株式会社NSC

代表者 : 代表取締役 川久 慶人

所在地 : 大阪府豊中市利倉1丁目1-1

設立 : 1971年3月11日

事業内容: ケミカル技術をベースとしたガラス、金属等表面処理および

生産ライン等の装置設計製作、排水処理事業

URL : https://www.nsc-net.co.jp

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