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画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/128714/img_128714_1.png
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サマリー
1) 「仕事が好き」なビジネスマンは45%。2008年の60%から15ポイント減少。
2) 意識の低下は女性より男性、特に男性ベテラン社員が少々深刻か?
3) 社風や仕事の進め方に改善のヒントがあるかもしれない。
1) 「仕事好き」日本人ビジネスマンは減少傾向
生活意識調査MINDVOICE(R)では、ビジネスマンを対象に仕事についての考えを調査しています。このデータを用いて、日本人ビジネスマンの仕事の好き嫌いの推移をみてみました。データを、2008年から2017年の9年間(3年おきの4地点)の推移を示します。(Chart1参照)
Chart1: https://www.atpress.ne.jp/releases/128714/img_128714_2.png
*対象者:日本人ビジネスマン男女 2008年N=1,468、2011年N=1,471、2014年N=1,586、2017年N=1,802
このデータをみると、仕事が「好き」または「まあ好き」と答えたビジネスマンは2008年では60%だったのが、2011年では55%、2014年では49%、2017年では45%と、この9年で15ポイント減少しました。
リーマンショックが起きた2008年から2017年の期間では、労働時間(注1)、給与(注2)については、数値的にはさほど大きな変化はありませんが、実は大きな質的変化が起きていると言えるでしょう。質的変化にはITの浸透、団塊世代の引退、コンプライアンスの強化などが含まれます。また、経済のサービス化が一段と進展するとともに、製造業のシェアは長期的な低下傾向に歯止めがかからない等、産業構造そのものが変化しており、そのことが影響を与えているのかもしれません。こうした、リーマンショック以降におきた仕事を取り巻く大きな質的変化が、日本のビジネスマンの仕事の好き嫌いに影響していると推測できます。
*注1:平成28年版「労働経済の分析」(厚生労働省)によると、月間総実労働時間は、2008年/149.3時間、2009年/144.4時間、2010年/146.2時間、2011年/145.6時間、2012年/147.1時間、2013年/145.5時間、2014/145.1時間、2015年/144.5時間。( http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/16/dl/16-1-1_03.pdf )
*注2:「早わかり グラフでみる長期労働統計」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)によると、常用労働者1人平均月間現金給与額(規模30人以上事業所)は、2008年/379,497円、2009年/355,223円、2010年/360,276円、2011年/362,296円、2012年/356,649円、2013年/357,972円、2014年/363,338円、2015年は357,949円。( http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/index.html )
2) 意識の低下は女性より男性、特に男性ベテラン社員が少々深刻か?
「好き」と「まあ好き」の合わせた「仕事が好き」とするビジネスマンの比率の推移を、男女(男性は年代別)でみてみました。(Chart2参照)
Chart2: https://www.atpress.ne.jp/releases/128714/img_128714_3.png
このデータをみると男性は押しなべて「仕事が好き」とする人が減少傾向にありますが、特に男性50歳以上のベテラン社員の減少傾向が大きく、2008年では65%が「仕事が好き」だったのに2017年では43%まで落ち込んでいます。2008年を100とすると2017年では67%という数値です。この数字は女性が81%、男性/30歳未満の79%、男性/30~40代の75%に比べると際立った数値と言えます。
リーマンショック以降におきた仕事を取り巻く大きな質的変化は、男性ベテラン社員に最もインパクトを与えていると言えるでしょう。仕事好きのモーレツ社員とも言われた団塊の世代がこの期間で引退してしまったこともこの数字に影響を与えていると考えることもできるでしょう。
なお、上記チャートにおけるそれぞれの属性の年度別サンプル数は下記のとおりです。
男性/30歳未満: 2008年/N=197、2011年/N=189、2014年/N=189、2017年/N=202
男性/30~40代 : 2008年/N=591、2011年/N=589、2014年/N=607、2017年/N=632
男性/50歳以上: 2008年/N=335、2011年/N=336、2014年/N=382、2017年/N=443
女性 : 2008年/N=345、2011年/N=357、2014年/N=408、2017年/N=525
3) 社風や仕事の進め方に改善のヒントがあるかもしれない。
企業の生産性を高めるためには「仕事が好き」なビジネスマンを増やすことも重要な要素と考えられます。とはいえ、仕事の環境を昔に戻すことも、団塊の世代に復帰していただきモーレツに仕事をしていただくこともできません。
そこで、「仕事が好き」と答えたビジネスマンと、「仕事が嫌い」と答えたビジネスマンが働く会社の社風の違いをみてみました。
下記のチャートは、「仕事が好き」なビジネスマンが働く会社の社風の特徴を示したものです。スコアは、「仕事が好き」な人が働く会社の社風の値から「仕事が嫌い」な人が働く会社の社風の値を差し引いた値を示します。「仕事が好き」と答えたビジネスマンとは仕事が「好き」または「まあ好き」と答えたビジネスマン(N=817)、「仕事が嫌い」と答えたビジネスマンとは、仕事が「嫌い」または「どちらかというと嫌い」と答えたビジネスマン(N=442)、いずれも2017年の値を示します。
Chart3: https://www.atpress.ne.jp/releases/128714/img_128714_4.png
このチャートをみると、「仕事が好き」なビジネスマンが働く会社の特徴のベスト3は、「自由に意見を言い合える自由闊達な風土」「規律よりも、個人の自主性を尊重する」「職場に活気がある」という項目です。逆に、「仕事が嫌い」なビジネスマンが働く会社の特徴のベスト3は、「無駄な会議が多い」「上の言うことには逆らえない風土」「えこひいきや不公平な処遇がしばしばある」という項目です。
「仕事が好き」なビジネスマンを増やすには、様々な要因があるでしょうが、社風や仕事の進め方はマネジメントによってコントロールが可能です。この分析を見る限り、自由闊達、個人の自主性といった要素を企業風土にどう取り込んでいくかということが課題だと言えそうです。
■MINDVOICE(R)とは
MINDVOICE(R)は、ブランド戦略コンサルティングを行う株式会社リスキーブランドと、ネットリサーチの大手マイボイスコム株式会社との共同調査です。毎年約4000サンプルの定量調査から得たデータベースを基に、商品企画やコミュニケーションなど企業のマーケティング戦略を支援するプログラムです。
調査地域:全国
調査対象:15-64歳の日本人(世帯年収300万円以上)
調査手法:インターネット調査
調査時期:2月(2014年までは5月)
有効回答:約4,000サンプル/年
*MINDVOICE(R)は株式会社リスキーブランドの登録商標です。
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