茶山台団地外観
ミニライブラリー「茶山台としょかん」の様子
2015年度実施 2戸1化リノベーションの室内
2015年度 2戸1化リノベーション審査員特別賞「ふたつのリビングを持つ贅沢の家」 イメージパース
■プロジェクトの背景
西日本最大級の泉北ニュータウン(※1)は、経済の高度成長による都市への人口集中や住宅需要に対応するため、1965年の都市計画事業決定をもとに整備され、緑豊かな住環境を有するまちとして成長してきました。一方、1967年のまちびらきから50年近くが経過し、人口減少・少子高齢化の進展や建物の老朽化、コミュニティ活力の低下など、ニュータウン特有のさまざまな問題が顕在化しています。
公社では公的指針を踏まえ、団地再生の取組みを通じてニュータウン再生へ貢献するとともに、さらに茶山台団地を「リーディングプロジェクト団地」として位置づけ、今後の郊外型団地再生のモデルとなれるよう、様々な角度から再生に向けての取組みをおこなっています。
(※1)国土交通省発表「全国のニュータウンリスト」(平成25年度作成)より
http://tochi.mlit.go.jp/shoyuu-riyou/takuchikyokyu
■プロジェクトのコンセプト
「響き合うダンチ・ライフ」
1.住民同士のコミュニケーション促進
2.豊かな自然環境を活かした魅力ある屋外空間の整備
3.地域への貢献
<茶山台団地再生プロジェクトの特設サイト「響き合うダンチ・ライフ」>
http://danchi-renovation.com/
■主な取組み内容
(1) 若年者・子育て世帯向け住戸リノベーションモデル事業(2014年度~)
2014年度より「堺市との連携による住戸リノベーションモデル事業」等を実施しています。2016年度は、昨年度好評だった45m2の2戸を1戸にして90m2の住戸にする「子育て世帯向け2戸1化リノベーション」をテーマに、下記の3つの住戸改善プラン(計6戸)を実施します。
<2016年度提案競技による最優秀提案プラン 2戸(堺市との連携事業)>
ターゲットとなる若年世帯を引き付けるデザイン性の高いプランについて、広く民間事業者からそのノウハウを活かした提案を求め、最優秀作品として選定したプランです。
<昨年度の審査員特別賞「ふたつのリビングを持つ贅沢な家」1戸(堺市との連携事業)>
昨年度の提案競技で、最優秀作品には選定されなかったものの、V字の間仕切り壁の独創的な間取りが高く評価されたプランです。
<昨年度好評だった「快適子育て空間プラン」 3戸(公社単独事業)>
昨年度の提案競技で好評だった「快適子育て空間プラン」をバージョンアップしたプランです。
(2) 持ち寄り本の「としょかん」からつくるコミュニティづくり(2015年度~)
企業ブランディングをおこなっている株式会社パラドックス所属のコピーライターである東 善仁さんが、実際に団地に住みながら、団地内集会所を小さな「としょかん」として運営し、住民同士のゆるやかなつながりを生み出す取組みを進めています。集まった本の数は、2015年12月のオープンから5ヶ月間ですでに200冊を超えています。また、「としょかん」の取組みは、NHKをはじめこれまで多くのメディアから取り上げられています。
<茶山台としょかん Facebook>
https://www.facebook.com/chayamatosho/
(3) 高齢者などの買い物弱者のため、移動販売事業者を誘致(2016年度~)
茶山台地域では最寄りの食品スーパーが撤退して以来、入居者の皆様から「買物がしづらくなった」というご意見があがっていました。
公社ではそういった声を受けて、泉北ニュータウンで活動実績のある移動販売事業者によるマルシェ(青果市)を、2016年5月から毎週土曜日に団地の集会所前で開催しています。ご利用者の方からのアンケートでは好評を得ており、今後も継続して実施します。
(4) 住宅の省エネ化改修による健康への影響度に関する調査(2016年度~)
近畿大学(大阪府東大阪市)と連携し、国土交通省が主導する「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」の実現に向けて、団地居住者を対象とした調査事業(健康調査)を実施します。既存住宅の省エネルギー化(高断熱化)による住環境改善効果について、改修前後の室内温度、湿度、空気質を測定し、居住者にもたらす健康への影響度に関する調査データの収集をおこないます。
(5) 団地のイメージを変える住棟壁面のリニューアル(実施時期未定)
景観改善の一環として、無機質な団地のイメージを大きく変える住棟の壁面のサインをリニューアルする方向で検討しています。
(6) 地元大学との連携(実施時期未定)
地元大学の育成プログラムと連携し、メディアやコミュニケーションへの関心が高い学生に対し、茶山台地域のコミュニティを舞台に自らのテーマに基づく研究活動の場を提供できる仕組みづくりを目指します。
■茶山台団地の概要
公社は泉北ニュータウン内に、これまで18団地5,385戸の賃貸住宅を建設しており、茶山台団地はその第1号として、1971年(昭和46年)4月に入居開始されました。
同団地は、現在公社が所有している大阪府内の賃貸住宅団地で、最も規模の大きい団地です。
所在地 :大阪府堺市南区茶山台2丁
交通 :泉北高速鉄道「泉ヶ丘」駅より徒歩約10分(団地入口)
敷地面積 :8.26ヘクタール(甲子園球場総面積の2.1個分)
棟数・総戸数:29棟・987戸
住戸専有面積:44.98m2~89.6m2
入居開始 :1971年(昭和46年)4月
■会社概要
商号 : 大阪府住宅供給公社
所在地 : 〒541-0042 大阪市中央区今橋2丁目3番21号
代表者 : 理事長 佐野 裕俊
設立 : 1965年(昭和40年)11月
事業内容: 賃貸住宅の管理事業、宅地管理事業、府営住宅の指定管理業務等
基本金 : 3,100万円(全額大阪府出資)
URL : http://www.osaka-kousha.or.jp/