トンネル内貫通映像の無線伝送
【概要】
樫内地区トンネル(第1、第2)は、震災復興リーディングプロジェクトとして進められている三陸沿岸の宮古~田老を結ぶ自動車専用道路にあります。この自動車専用道路が全面的に開通すれば津波浸水地区を通行することなく久慈港と宮古市が結ばれ、緊急医療機関と避難物資が水揚げされる港と市内が直接結ばれることになります。今回は「樫内第2トンネル貫通式」にあたり、式典参加者に貫通の瞬間をライブ中継するため、トンネル内奥部にライブ中継用のカメラと送信装置を設置、トンネル坑口に設置された受信装置まで約700mのトンネル内通信に成功、式典参加者がモニターを見守るなか、貫通の瞬間をクリアーな映像で確認することができました。
なお、FalconWAVE4.9G-MPはアダプティブビームフォーミング機能を持った広域エリアを可能にするWi-Fiアクセスポイントが搭載されているため、切刃周辺の送信装置と坑口に設置した受信装置のWi-Fiアクセスポイント機能を利用することでトンネル内全体(700m)をWi-Fiエリア化できていることも同時に確認しました。
【システム概要】
今回使用した「長距離無線LANシステム FalconWAVE4.9G-MPプラス」は、通信の安定性に定評のある4.9GHz帯を利用した長距離無線伝送を行う機能と屋外広域Wi-Fiスポット化を実現するアクセスポイント機能を同一筐体に内蔵した無線システムです。19.5dBiの高利得でかつ半値幅17°の17cm□の小型アンテナを使用することで、トンネル内でも安定した長距離データ伝送を可能としています。
【今後の予定】
今回は、長距離無線LANシステム FalconWAVE4.9G-MPプラスでトンネル内約700mを通信しましたが、データからも十分な余力が確認されました。今後はトンネル内でキロ単位の長距離伝送が期待されます。
FalconWAVE4.9G-MPプラス 製品詳細URL
http://www.den-gyo.com/solution/solution03_c_h.html
<参考>
インタビュー:災害に強く、同時に耐久性も高い道路を 国土交通省三陸国道事務所「復興道路の一日も早い開通が使命」
https://www.kozobutsu-hozen-journal.net/interviews/detail.php?id=1124&page=2
(株式会社鋼構造出版「道路構造物ジャーネルNET」より引用)
<日本電業工作(DENGYO)について>
1947年の創立以来、日本の通信事業発展に貢献し、通信インフラの実現を支える技術・製品を数多く創出してきました。アンテナ・フィルタといったコアビジネスの研究開発はもとより、革新技術創出にも積極的に取り組んでいます。
資本金 : 3億3,000万円
売上高 : 146億円
従業員数: 249名(2015年3月期)
URL : http://www.den-gyo.com/