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西日本豪雨被害に”中抜き”支援も?義援金と活動支援金の違いと、税制優遇もある「公正な募金を見分ける方法」【渡邉哲也】



現在、西日本豪雨に関する募金が各所で行われています。実は、災害募金には、性質の異なる2つの募金が存在します。


ひとつは日本赤十字社などが中心となり集める「義援金」で、これは「全額、被災者に被災の程度に合わせ現金で分配」されます。これが可能な理由は日本赤十字社が活動資金を別枠で集めているからです。また、分配方法に関しても、集まった額を被災者の数と被災の程度で公平に分配し、都道府県を通じて、市町村から給付される形であるため、透明性が高いと言えるでしょう。また、日本赤十字社に対する募金は「特定寄附金」として、税制上の優遇処置が受けられます。


詳細は日本赤十字社のHP


http://www.jrc.or.jp/contribute/pdf/qa_yuuguu130509.pdf


もしくは国税庁のQ&A


https://www.nta.go.jp/about/organization/kumamoto/topics/saigai/160422/06.htm


でご確認ください。


つまり、義援金は被災者の生活再建の支えとなり、税制上の優遇により、自分の払うべき税を被災者に回す事ができる制度であるともいます。また、ふるさと納税等で被災自治体に寄付をするというのも有効な支援法と言えるでしょう。







それに対して、もう一つの募金が「活動支援金」と言われるもので、募金がNPOなどのボランティア支援活動に使われるものです。


被災者の速やかな生活再建のためには、NPOなどのボランティア活動が必須であり、活動支援がなければ、自由な活動ができないことも事実です。しかし、なかには問題の多いNPOなどもあり、一部がNPOの運営費などに流用される事例もあります。ですから、まずはその募金団体が信用できるか考えて行うのが得策であると言えます。


第一の判断基準としては、その団体が「認定NPO法人」や、「公益社団、財団法人、社会福祉法人などの特定公益増進法人」に該当するかどうかです。近年の法改正により、NPOや一般社団法人や財団法人などの設立は誰でも簡単にできます。しかし、「認定」や「公益」を得るには、実績と監督官庁の許可が必要であり、その意味では信用度が高いといえるわけです。そして、このような団体への寄付は税制上の優遇処置の対象になります。


第二の判断基準は、その透明性です。募金の際、領収書や受領書を発行できない、発行しない団体等には注意が必要であると言えます。非常に悲しいことですが、皆様の大切な気持ちとお金、それを狙う人がいるのも事実なのです。


 

渡邉哲也 <作家 / 経済評論家>

1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告しベストセラーになる。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。

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