
トランプ米大統領は22日、米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事が辞任しない場合、解任する考えを示した。トランプ氏に近い連邦住宅金融局(FHFA)トップによる「クック氏が自らの住宅ローン申請で不正を働いた疑いがある」との主張を根拠にしているとみられる。
トランプ氏は首都ワシントンで記者団に対し、「彼女がしたことは悪だ。辞任しないなら、私は解任するつもりだ」と述べた。
FHFAのビル・パルト局長は20日、クック氏が過去に不正な住宅ローン申請をした疑いがあると主張し、司法省に捜査を要請。トランプ氏は同日、自らのソーシャルメディアにクック氏の辞任を求める投稿をしていた。
トランプ氏は、1月以降5会合連続で政策金利を据え置いているFRBに対し、早期の利下げを要求。金利据え置きに賛成し続けるクック氏を解任し、自らの意向に従う人物に置き換えようとしている可能性がある。
FRB理事は法律上、職務怠慢や不正行為など正当な「理由」がない限り解任できない。【ワシントン大久保渉】