
「赤れんが庁舎」の愛称で親しまれ、5年半以上かけた改修工事を終えた北海道庁旧本庁舎(札幌市中央区)が25日、リニューアルオープンする。
庁舎は1888年に完成し、国の重要文化財に指定されている。老朽化が進んでいたことを受け、2019年12月から総工費約60億円をかけて耐震工事などを行い、北海道の歴史と文化の発信拠点として、展示や飲食店のフロアを一新した。
屋根中央部のドーム型のシンボル「八角塔」は銅板をふき替えた上で、内部を初めて一般公開する。塔のバルコニーからは札幌の街並みが一望できる。一方で、道内179市町村の魅力を発信する展示を充実させ、アイヌ文化や樺太・北方領土の歴史を紹介する専用のコーナーを設けた。
「白い恋人」で知られる石屋製菓直営のカフェや、エゾシカのハンバーグなど道産食材を使った料理が味わえるレストランも出店。ショップでは、庁舎をパッケージデザインに取り入れたサブレなどが購入できる。
幅広い来場者を想定し、館内には新たにエレベーターやスロープも設置した。
運営会社の広報担当者は「道内のお客様にとっては気軽なお出かけスポットに、道外のお客様には北海道の魅力を伝える場にしたい」と話している。
開館時間は午前8時45分~午後9時。年末年始休館。入館料は一般300円、大学生・高校生200円、中学生以下無料。八角塔の観覧は1日4回開催され、別料金で小学生以上1200円。
25~27日には再開館を記念した「赤れんがグランフェスタ」を開催。館内ではコンサートやお笑いライブを、前庭ではキッチンカーなどを楽しめる。【森原彩子、後藤佳怜】