
映画、テレビで日本的な女性を数多く演じた女優の藤村志保(ふじむら・しほ、本名・静永操=しずなが・みさお)さんが12日、肺炎のため死去した。86歳。葬儀は近親者で営んだ。
神奈川県生まれ。1961年、大映京都撮影所演技研究所に入所。翌年、市川雷蔵主演の「破戒」で恋人役に抜てきされてデビュー。同年の「斬る」「忍びの者」などでヒロインを演じ、芯の強さとしとやかさを備えたたたずまいで注目された。「昨日消えた男」「眠狂四郎」シリーズなどの時代劇映画に数多く出演。98年度の毎日映画コンクールで田中絹代賞を受賞した。
テレビでもNHK大河ドラマ「太閤記」「風林火山」などに出演。バラエティー番組などでは巧みな語りを披露した。
40代で、弟子を取らないことで知られた地唄舞の武原はんの下で、舞を学んだ。85年には臓器移植を取材した著書「脳死をこえて」で読売女性ヒューマン・ドキュメンタリー大賞を受賞した。
2014年、背骨を圧迫骨折してNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」のナレーションを降板、療養を続けていた。