
パレスチナ自治区ガザ地区へ船で向かう途中に拘束され、イスラエルから送還されたスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんは10日、経由地のパリで報道陣の取材に応じ、イスラエルによる船の拿捕(だほ)は「国際的な権利の侵害だ」と批判した。ロイター通信が伝えた。
グレタさんは9日、同乗していた他の活動家ら11人とともにイスラエル国内に移送され、10日に飛行機で出国していた。
報道によると、グレタさんは「我々は国際海域で拉致された」と主張し、依然として拘束されている他の活動家の即時解放を求めた。また、「自分はイスラエルに不法入国したとは思っていない」とも語った。
また、トランプ米大統領が9日、グレタさんについて「若くて、怒りっぽい人物だ」などとやゆしたことについては「率直に言って、世界はもっとたくさんの怒った若い女性が必要だと思う。特に今、いろんなことが起きているから」と笑い飛ばした。
グレタさんらはイスラエル軍の戦闘が続くガザ地区を支援するため、食料や医薬品を積んで1日にイタリアを出港。9日未明にエジプト北部の沖合でイスラエル軍に拿捕された。【カイロ金子淳】