
埼玉県川口市で2024年5月にタクシー運転手の男性が銃撃された事件で、強盗殺人未遂などの罪に問われた同市の無職、瀬川好一被告(69)の裁判員裁判の論告求刑公判が5日、さいたま地裁(江見健一裁判長)であり、検察側は懲役23年を求刑した。判決は6日。
起訴状などによると、被告は昨年5月29日夜、川口市幸町3の路上に停車中のタクシー内で、70代の男性運転手に拳銃を向けて、「金出せ」などと脅迫。応じなかった男性の左胸に発砲し、全治約3カ月のけがをさせたとされる。
検察側は論告で、被告が事件前に自宅から拳銃を持ち出していたことなどに触れ、「計画された犯行だった」と指摘。「少しでも弾道がずれていれば(被害者は)死亡する可能性があった」と非難した。
弁護側は、強盗目的の発砲ではなく、運転手の態度に立腹したことによる「衝動的な事件だった」とし、強盗殺人未遂罪は成立しないと主張。懲役12年の判決を求めた。【加藤佑輔】