
大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は11日、会場の大屋根「リング」の水面と接する部分の護岸が海水の注入などによって浸食された現場を報道陣に公開した。
浸食被害が確認されたのは、リング内側の「ウオータープラザ」と呼ばれるエリアと、リング外側の「つながりの海」と名付けられたエリアの護岸計1・1キロのうち600メートル。両エリアでは、2月から海水の注入が行われていた。
現場に近づくと、水面と接する部分が広範囲にわたってえぐられ、えぐられた部分は土の色が周囲と異なっていた。浸食の深さは数センチから数十センチまでに及び、ひどい所では成人男性の膝の高さほどに見えた。両エリアは水位調整のため、複数のパイプでつながれていた。
現場を案内した担当者によると、吹き付ける海風で波が発生するなどして護岸の盛り土が削られたほか、海水の注入で両エリアに生じた水圧差が影響した可能性もあるという。
担当者は「リングの安全性に問題はない。4月の開幕までに護岸の保護など必要な対策を取る」と説明した。【長沼辰哉】