
自民党の萩生田光一元政調会長は18日、自民、公明、日本維新の会の3党による高校授業料無償化を巡る協議について、「中身を議論しないまま野党の言いなりに押し倒されて、予算成立を急いだことになれば将来に遺恨を残す」と批判した。野党の要求に応じて支援額がつり上がっていることを「サービス合戦でバナナのたたき売りだ」と皮肉り、早期の予算成立にこだわらず、年度明けも野党との協議を続けて結論を出すべきだと主張した。
同日、党本部であった文部科学部会、教育・人材力強化調査会の合同会議後に記者団の取材に応じた。部会では「予算成立の条件に、教育政策が使われることが本当にいいのか」と疑問を呈したという。萩生田氏は第2次安倍政権で文部科学相を務めた文教族の有力議員。
子どもが私立校に通う世帯に支給される就学支援金を巡っては、石破茂首相が17日、2026年度から所得制限を撤廃した上で、支給額の上限を現行の年39万6000円から45万7000円程度に引き上げる考えを表明した。これに対し萩生田氏は、私立校は質の高い環境・施設を維持するために公立校より高い学費を課していることを挙げ、「それが全て国費でまかなわれることになれば、新たな格差を生みかねない」と指摘した。「国費から1人45万円出すことは、憲法に照らして正しいのかも含めて深い議論が必要だ」とも述べた。
また、無償化の財源の議論が不十分な中で「恒久的な制度を作るのは無責任と言わざるを得ない」と批判。年間4000億~6000億円と言われる費用について「毎年支出するだけの財源的裏打ちがどうできるのか、時間をかけて議論すべきだ」と話した。【遠藤修平】