
不信任決議を受けた大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)が議会を解散したことに伴う市議選(定数24)が2日投開票され、前職22人、新人2人の当選が決まった。告示前のアンケートでは、永野氏に対する不信任決議案が再提案された場合、22人が「賛成する」と答えており、再可決されて市長が自動的に失職する公算が大きくなった。結果を受けて、永野氏は3日、記者団に対して、市長選が実施される場合の対応について「また立候補して頑張りたい」と述べ、出馬する意向を明らかにした。
永野氏は女性との性的関係を巡って、2024年12月、市議会から不信任決議を受けた。賛成20、反対4で可決されたが、永野氏は失職ではなく、議会解散を選択した。
毎日新聞など報道機関6社は市議選告示前の25年1月、立候補予定者29人全員を対象に書面によるアンケートを実施し、当選後に市議会で永野氏に対する不信任決議案が提案された場合の賛否を尋ねた。当選した24人のうち、前職21人と新人1人の計22人が「賛成する」と回答し、前職1人と、新人で永野氏の妻紗代氏(38)の計2人が「反対する」と答えた。
永野氏は「不信任決議に大義はない」として議会解散に踏み切ったが、12月の決議に賛成し、立候補した前職20人は全員が当選した。前議長の烏野隆生氏(55)は前回選(23年4月)から1027票を増やして2899票を獲得するなど、20人中16人が得票を伸ばす結果となった。
永野氏は開票結果について「(不信任決議に)賛成した人が票を伸ばしており、ある程度の民意が示されたと思う」などと述べた。
地方自治法などによると、選挙後初めての議会で3分の2以上が出席し、不信任決議案が過半数の賛成で再可決されれば市長は自動的に失職し、50日以内に市長選が実施される。
市議選の投票率は40・23%で、統一地方選で実施された23年4月の前回選(38・64%)を上回った。当日有権者数は15万4752人だった。
永野氏は市長就任後の19年ごろから女性と不適切な関係を約1年半続け、女性は損害賠償を求めて提訴した。24年11月、永野氏が謝罪して解決金500万円を支払う内容で和解した。12月には所属していた大阪維新の会から離党勧告の処分を受け離党した。【中村宰和、新宮達、藤河匠、鈴木拓也】