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民間ロケット「カイロス」2号機、打ち上げ 二度の延期経て


宇宙ベンチャー「スペースワン」は、和歌山県串本町の発射場から小型ロケット「カイロス」2号機を打ち上げました。12月に強風で2度の中止を経た打ち上げです。「カイロス」は固体燃料ロケットで、今回は5基の人工衛星を地球周回軌道に投入することを目指しています。3月の初号機は自己爆発で失敗しましたが、今回は設定を改善。スペースワンは2018年に設立され、低コスト・高頻度で宇宙輸送を行う商用化を視野に入れています。打ち上げ成功なら、民間単独では日本初の快挙となります。

 宇宙ベンチャー「スペースワン」(東京都)は18日午前11時、和歌山県串本町の民間ロケット発射場から、人工衛星を搭載した小型ロケット「カイロス」2号機を打ち上げた。12月14、15日には上空の強風の影響で2日連続して発射を直前で中止し、この日に延期していた。

 カイロスはスペースワンが独自開発した固体燃料式の小型ロケットで、全長約18メートル。京都の新興宇宙企業が開発した重さ約50キロの衛星や、台湾国家宇宙センターの実験用衛星など計5基を積んでいる。これらを地球周回軌道に投入できれば、民間単独としては国内初となる。

 カイロス初号機は今年3月、内閣官房の小型衛星を搭載して打ち上げられたが、約5秒後に自ら爆発。ロケットが誤って「速度不足」と判断したためで、今回は設定を見直した。

 スペースワンはキヤノン電子やIHIエアロスペースなどが出資して2018年に設立された。世界的に小型衛星の打ち上げ需要が高まっていることから、低コストかつ高頻度に宇宙へ衛星を運ぶ「宇宙宅配便」の商用化を目指している。

 同社は18日午後に記者会見を開き、衛星の軌道投入の成否などの詳細を説明する。【駒木智一、加藤敦久】

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