来年2月に七代目三遊亭円楽を襲名することが決まった落語家、三遊亭王楽さん(46)が9月30日、東京都内で記者会見した。「五代目、六代目(円楽)の名前も顔も、国民で知らない人がいないといっても過言ではない。大変な重圧はあるが精進していく」と抱負を述べた。
この日は2022年に亡くなった六代目円楽(享年72)の三回忌にあたる。王楽さんが七代目円楽を襲名することは六代目の遺言でもあったという。「真打ちになると誰も怒ってくれないが、六代目は落語に関して小言を言ってくれた。『円楽は王楽に継がせないと(いけない)』と遺族に明言してくれていたことは、本当に感謝ですね」と時折言葉を詰まらせながら語った。
会見には父、三遊亭好楽さん(78)と、落語協会相談役の林家木久扇さん(86)も同席。好楽さんは「(円楽という名前を)大きくするのも小さくするのも当人の心構えだ。これからも応援していただければ」と親心をのぞかせた。
木久扇さんは「新円楽は大変な知識人。映画に造詣があるので、落語の話も『こういうところを変えたら面白くなるんじゃないか』ということをすーっとできる人。未来が広がっている」と期待を寄せた。
25年2月26日~3月2日、襲名披露興行東京公演が有楽町よみうりホールで開かれる。好楽さんが出演するテレビ番組「笑点」のメンバーのほか、桂文枝さん、笑福亭鶴瓶さん、立川志の輔さんらが出演する。
王楽さんは、五代目円楽と「相思相愛」だった鶴瓶さんに襲名を報告に行った際、「師匠が私の手をがっちりと握って、泣きながら『おめでとう。(円楽の名を継ぐのは)お前しかおらん』と言ってくれたことが思い出深い」と話した。【西本龍太朗】