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初代門司港駅の遺構、追加調査後に解体へ 北九州市、移築を断念


 北九州市門司区の複合公共施設建設予定地で見つかった明治期の初代門司港駅(当時の名称は門司駅)関連遺構を巡り、市議会は14日、現地への複合公共施設の建設費を含む一般会計補正予算案を賛成多数で可決した。市は7月から追加の埋蔵文化財発掘調査を実施した後、今秋にも遺構を取り壊して施設建設を進める方針。

 遺構は2023年9月から市が実施した発掘調査で見つかった。約900平方メートルの建設予定地から、1891(明治24)年に開業した初代門司港駅の駅舎外郭や機関車庫跡が確認された。

 市は当初、遺構を一部移築した上で施設を建設する方針だったが、市議会は方針決定の過程が不透明として3月、移築関連経費を補正予算案から削除する修正動議を可決。また追加調査と記録保存、早期の施設建設を求めていた。

 これを受け、市は「議会が示した方向性を具体化する」として、移築を断念し、追加調査と施設建設費を盛り込んだ補正予算案を今議会に提案していた。

 遺構を巡っては、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内組織「日本イコモス国内委員会」など16の学術団体が、日本近代化の形成過程を物語る国史跡級の重要な遺構だとして市に現地保存を要望していた。

 同委員会副委員長で九州大の溝口孝司教授(考古学)は14日、市役所で記者会見し「これほど多くの学術団体が重要性を認めながら開発にストップがかからなかった例は珍しい。今回の判断はあしき前例となりかねない」と批判した。日本イコモスは、遺構解体の中止を求める「ヘリテージアラート(遺産危機警告)」の発出をイコモス本部に申請している。

 一方、武内和久市長は記者団に「活発な議論の結果、事業を前に進めていく予算の承認をもらった。丁寧な発掘調査と記録保存をした上で速やかに建設を進める」と述べた。【伊藤和人、山下智恵】

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