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あなたにとっての平和とは 中学生カメラマンの銀塩写真が問うもの


 「いつも通りの日常に平和を感じている」。広島市立似島中2年の学生カメラマン、堂畝梛子(どううね・なぎこ)さん(13)は、広島港沖の似島(広島市南区)で「平和」をテーマにした写真を撮り続けている。

 撮影するようになったのは小学2年生のころ。写真家の母紘子さん(41)が被爆3世らの家族写真を撮る現場に手伝いに行き、カメラに興味を持った。母の撮影で似島にはよく行っており、自然いっぱいの地域や島の人の温かさを感じていた。自宅は中区にあるが、毎日船を使って島にある似島中へ通うことを決めた。

 似島は原爆投下後、陸軍の検疫所が臨時野戦病院とされ、多数の被爆者が運ばれた地。現在も防空壕(ごう)跡など戦争遺構が数多く残る。一方で今通っている学校での友だちと過ごす楽しい生活は平和そのものだ。

 戦後80年近くが経過し、若い世代は戦争や平和について関心が薄れていると感じていた。自身が撮影した何気ない写真から平和について考えてもらうきっかけを作りたい。そんな思いで1月に写真展「私のへいわ」を似島公民館で開催した。

 同級生が給食を食べる様子や登下校の様子などを捉えたモノクロ写真10枚を展示。写真を見たクラスメートからは「いつもの平和な景色だね」「私も展示してみたい」などと声を掛けられた。

 曽祖母が被爆者で自身は被爆4世。3世の母が代表を務める非営利の平和市民活動「被爆三世・四世プロジェクト これからの私たちは」のメンバーとしても活動。被爆3世の家族写真の展示会や、折り鶴のアクセサリーを作る体験会などに参加して、平和を呼びかけている。

 今後は似島住民を撮影し、再び写真展を開こうと計画している。「平和の定義は人によって違う。多くの人に自分にとっての平和とは何か、考えてもらえるきっかけにつなげたい」と意気込む。【井村陸】

堂畝梛子(どううね・なぎこ)さん

 モノクロの銀塩写真にこだわって撮ってきた。愛機はオリンパスOM-2。将来の夢は和菓子職人になること。

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