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ウクライナのプロダンサー、ダンス講師に 避難先の広島で決意


ウクライナプロダンサー フェドロフスカ・ナタリアさん(35)

 ロシアによる侵攻でウクライナから2022年9月に広島県福山市に避難し、24年4月から市内のスポーツクラブでダンス講師として働く。ウクライナや国外でのプロダンサーとしての経験をいかし、「日本でもダンスを通して活躍したい」と話す。

 ウクライナ東部のドネツク州出身。6歳から同国の伝統的なダンスを始め、19歳でモダンダンスのプロに。さらにウクライナ国立ドラホマノフ教育大学振り付け専門学部を卒業し、首都キーウ(キエフ)で子どもから大人までダンスを教えていた。

 22年2月の侵攻で母と祖母はドイツに、姉家族は英国に避難した。「生まれた町はなくなり、ウクライナに家族はもういない」と肩を落とす。長男アレキシーちゃん(5)と同6月に来日し、知人がいる福山に移って日本語学校に通った。日本語検定4級に合格し、今年3月に卒業した。

 さらに検定3級を目指すなど、試練を克服しようと努力する姿に国際ソロプチミストローズ福山から「夢を生きる 女性のための教育・訓練賞」を贈られた。「戦争が続き、まだウクライナに帰ることができない。子どもを守るため、仕事をしなければならない」と決意を語る。

 「セントラルフィットネスクラブ福山」でのレッスンが決まり、3月18日には会員向けに事前見学会を開催した。日本語で説明しながら自作のダンスを披露し、笑顔で「踊ると気持ちよくストレスもなくなる。体がきれいに若々しく見えるようになる」と参加を呼びかけた。

 4月から週1回クラスを受け持つ。伸びやかな振り付けに魅了され、受講を決めた会員もいる。市多様性社会推進課から依頼を受けた同クラブは「モダンダンスのクラスはこれまでなかったが、避難生活が長期化するナタリアさんの自立を支援したい」とエールを送る。

 3年目になった侵攻について「言い表せないたくさんの気持ちがある」と多くを語らない。だが「避難してから、ずっとダンスをしたかった。踊る喜びをレッスンで伝えたい」と笑顔を見せた。【関東晋慈】

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