22日午前9時15分ごろ、熊本市中央区下通（しもとおり）1の飲食店の従業員から「刺された」と110番があった。店のアルバイト女性ら3人が顔や首、手足などを刺されて救急搬送された。いずれも意識はあり、命に別条はない。熊本県警は、店内で3人のうち21歳の女性の顔や首を包丁で突き刺すなどしたとして、現場近くで血の付いた包丁を持っていた店長で同市中央区草葉町、奈良公明（こうめい）容疑者（29）を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
県警によると、店はコスプレ姿で客を接待する「コンセプトカフェ（コンカフェ）」とみられ、刺されたほかの2人は10代後半。店外では別の包丁1本も見つかった。奈良容疑者は「刺したことは間違いない」と容疑を認め、仕事上のトラブルがあったことをほのめかしているという。
熊本城や市役所に近い市中心部の繁華街で起きた事件に、周辺は騒然とした。
同じビルの別の店に勤める30代男性によると、「キャー」という悲鳴を聞いて駆けつけたところ、店内で女性2人がうずくまっており、止血を手伝ったという。別の店の女性（40）は「びっくりした。けがをした方は大丈夫だろうか。街中の事件で心配だ」と不安そうに話した。【山口響、山口桂子】
