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工藤会総裁判決、検察側が上告へ 2審の死刑破棄「承服できない」


 市民が襲撃された4事件で、殺人罪や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などに問われた特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)トップで総裁の野村悟被告(77)に1審の死刑判決を破棄して無期懲役を言い渡した福岡高裁判決について、検察当局は不服として最高裁に上告する方針を固めた模様だ。上告期限は26日。検察内部で「一部無罪や死刑の破棄は受け入れられない」などの意見があったとみられ、最高検と福岡高検が協議していた。

 野村被告と、同様の罪に問われた工藤会ナンバー2で会長の田上不美夫(たのうえ・ふみお)被告(67)=2審・無期懲役=はすでに上告した。

 両被告は、北九州市の元漁協組合長射殺(1998年)▽工藤会捜査を担当した元福岡県警警部銃撃(2012年)▽野村被告の下腹部の脱毛施術などを担当した看護師刺傷(13年)▽射殺された元漁協組合長の孫の歯科医師刺傷(14年)――の4事件で殺人罪などに問われた。21年8月の福岡地裁判決は、野村被告を4事件の「首謀者」と認定し、求刑通り死刑とした。

 高裁判決は、野村被告について元漁協組合長射殺事件で「共謀が認められない」として無罪とした。残る3事件は有罪としたが、死亡した被害者がおらず「死刑の量刑は到底維持し難い」として無期懲役の判決を言い渡した。田上被告の控訴は棄却し、1審の無期懲役判決を支持していた。

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