ウクライナ北東部スムイ州から避難してきたマテウィ・ホンチャレンコさん（12）が19日、千葉県内の小学校を卒業した。卒業式後には、学校でできた友人や先生たちと記念撮影をするなどし、共に卒業を祝った。
日本に避難してきたのは2022年4月。直後から通った約2年間の学校生活の当初、日本語は全く分からなかったという。初めはスマートフォンの翻訳機能を使って会話していたが、今では簡単な会話は日本語でできるようになった。給食のみそ汁が苦手だが、カレーライスはお気に入りで大好物になった。バスケットボールが好きで、よく昼休みに友人と遊んだことが思い出だという。
生活などの相談を受けていたという特別支援学級教諭の澤田幸子さん（62）は、卒業式前に日本語の手紙をマテウィさんからもらい、「助けが必要なときにいつも助けてくれて本当にありがとう」と書かれていた。澤田さんは「まさか日本語で手紙をもらうなんて思わなかったので、感動した。異国の地でよく頑張っている。今の状況をいろいろな人に知ってもらって、精神的にもっと支えてあげたい」と話す。
ロシアのウクライナ侵攻から2年以上が経過し、いつ母国に帰れるかは分からない。父は今も都市防衛部隊として国に残っているという。マテウィさんは「お父さんに卒業した姿を見てもらいたかった。早く戦争が終わってお父さんに会いたい」という。4月からは近くの中学校に進学する予定で、「日本語を全部覚えること。バスケットボールが好きだからバスケットボール部に入りたい」と目標を語った。【宮武祐希】
