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イスラエル、アルジャジーラの放送停止 国際的な非難高まる


 イスラエルのネタニヤフ政権が中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」の活動差し止めを決めたことを受け、同局は5日、パレスチナ自治区ガザ地区やヨルダン川西岸をのぞくイスラエル国内での活動を停止したと明らかにした。テレビ放送も止まったという。イスラエルはガザ地区のイスラム組織ハマスとの戦闘を巡る同局の報道を問題視したとみられるが、「報道の自由」の侵害だとして、国際的な批判も高まっている。

 AP通信などによると、イスラエルの治安当局は5日、東エルサレムのアルジャジーラの拠点を捜索し、放送機材などを押収した。活動停止は45日間で、延長も可能だという。ネタニヤフ首相は声明で、同局が「イスラエルの治安を害した」と主張し、「ハマスの代弁者を取り除くときだ」と述べた。一方、同局は「情報アクセスという基本的な権利を侵害する犯罪的行為だ」と非難した。

 アルジャジーラはカタール政府の財政支援を受けており、「親パレスチナ」の立場とされる。ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘を巡っては、現地から連日、人道危機の現状などを報じている。

 一方、イスラエル軍は同局の記者の中に「ハマスがいる」などと主張してきた。アルジャジーラによると、昨年10月にガザ地区の戦闘が始まって以降、所属する記者らが攻撃を受けたのは50回以上に及び、死傷するケースも相次いでいる。

 今回の措置を受け、イスラエルの外国報道協会は5日、「イスラエルは権威主義政府の仲間入りした。メディアと民主主義にとって暗黒の日だ」と非難し、決定を取り消すよう訴えた。国連人権高等弁務官もX(ツイッター)で「自由で独立したメディアは透明性や説明責任を確保するのに不可欠だ」と投稿し、イスラエル政府に再考を求めた。

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部・パリ)が3日に発表した報道の自由に関するランキングでは、イスラエルは180カ国・地域のうち101位だった。【カイロ金子淳】

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