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高校生自殺が波紋 「出生時の性」でトイレ利用、州法施行が背景に


 米南部オクラホマ州で2月、性自認が男女どちらにも当てはまらない「ノンバイナリー」の高校生(16)が自殺したことが波紋を広げている。高校生は校内の女子トイレで別の生徒らにからかわれた翌日に死亡。出生時の性に合わせたトイレの使用を義務づける州法の施行後にいじめが激化したとの証言もあり、教育省が学校の対応に関して調査を開始した。バイデン大統領は14日の声明で「(LGBTQなど)性的少数者の子供たちへの差別撲滅に、改めて取り組む必要がある」と訴えた。

 地元警察当局や米メディアによると、ネックス・ベネディクトさんは2月7日、校内の女子トイレで別の女子生徒3人とけんかになった。ベネディクトさんは警察の聴取に「友人と談笑していたら、3人から『なんでそんな笑い方なの?』と言いがかりをつけられた。水をかけたら、けんかになり、床に頭を打った」と説明。周囲にいた生徒や学校スタッフが引き離し、双方とも病院への搬送が必要なけがはなかった。

 しかし翌日、ベネディクトさんは自宅から病院に搬送されて死亡した。当局による解剖などの結果、抗ヒスタミン薬と抗うつ薬の摂取による自殺と判断された。

 ベネディクトさんが出生時に割りあてられた性は女性だったが、家族に「自分が男性なのか、女性なのか、厳密には分からない」と話していた。自身の三人称の代名詞は「He(彼)」や「They(彼ら・彼女ら)」を使うよう希望していた。

 2022年に成立したオクラホマ州法は、公立学校で出生時の性に合わせてトイレを使うことを義務化。ベネディクトさんも女子トイレを使っていたが、遺族によると、州法施行後にいじめが激しくなったという。

 NPO「運動前進プロジェクト」によると、同様の州法は他にも9州にある。保守派はトランスジェンダーとトイレを共用するのを嫌がる生徒がいるなどとして、義務化政策を推進している。一方、リベラル派には、性的少数者が利用できる個室トイレの整備を推進する動きがある。

 バイデン氏は14日の声明で「ノンバイナリーの人たちは最も勇敢な米国民だ。しかし、ただ自分らしくあるために、勇敢でなければならないのはおかしい。誰も、ネックスさんが経験したようないじめに遭うべきではない」と述べた。

 性的少数者の自殺防止に取り組むNPO「トレバー・プロジェクト」の23年の調査では、米国の13~24歳の性的少数者の41%が「過去1年間に自殺を真剣に考えたことがある」と回答した。家族や周囲の理解がない場合や、学校に性別に関係なく利用できるトイレがない場合に、自殺を試みる傾向が強かった。【ワシントン秋山信一】

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