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前北九州市長「無期懲役でも重い罰」 工藤会総裁に死刑破棄判決


 地域を不安に陥れた4件の市民襲撃事件に関与したとして、殺人罪や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などに問われた特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)トップで総裁の野村悟被告(77)に対し、1審死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡した12日の福岡高裁判決。裁判所の警備が強化され物々しい空気に包まれるなか、予期せぬ判決内容に、関係者からは驚きの声が上がった。

「怖い街」払拭のためにも壊滅を

 「工藤会による一連の事件は市民を恐怖に陥れ、投資や観光面で都市としての成長を妨げてきた。1、2審ともに暴力団の組織的な犯行によるものと認定したことが重要だ。無期懲役でも非常に重い罰であることに変わりはない」。工藤会トップの野村悟被告(77)らに無期懲役を言い渡した12日の福岡高裁判決を受け、長年にわたり暴力団排除運動の先頭に立ってきた北橋健治・前北九州市長(70)はそう語った。

 野村被告らが殺人罪などに問われた4事件のうち、元福岡県警警部銃撃事件(2012年)など3事件は北橋さんの市長在任時(07~23年)に起きた。北九州市は10年、福岡県と足並みをそろえる形で市暴力団排除条例を制定。公共事業では下請け業者も含めて暴力団との関係がないか監視するなど規制を強めてきた。

 県警が14年に着手した「頂上作戦」以降、工藤会の弱体化は進み、20年には工藤会の象徴だった本部事務所(同市小倉北区)が撤去された。治安は劇的に向上し、刑法犯認知件数は10年の1万5295件から23年は6044件まで減り、市のアンケートでは「治安が良い」と感じている市民の割合は9割近くに上る。

 ただ、組織は依然として残っており、県警によると工藤会の県内勢力は240人(23年末時点)。北橋さんは「被告が高齢であることもあり、無期懲役は重い判断だ。残った組員はこれを契機に離脱する決断をしてほしい」と呼び掛ける。「市民の体感治安と市外の人が抱くイメージがまだ釣り合っていないと感じる時がある。『怖い街』のイメージ払拭(ふっしょく)のためにも工藤会壊滅こそ目標だ」と強調する。

 現在の暴排運動を主導する北九州市自治会総連合会(小倉北区)の男性役員は「死刑が維持されなかったのは驚いたが、無期懲役でも厳罰であり、被告が社会に戻ってこないという意味で安心であることに変わりはない」と判決を評価した。

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