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横浜の中2自殺 市教委が「いじめ」表記の削除要請、第三者委が指摘


 2020年3月下旬に横浜市立中学2年の女子生徒が自殺し、これを受けて市教育委員会が設置した第三者委員会は8日、同級生によるいじめが原因とする調査報告書を公表した。ニックネームへのからかいや無料通信アプリ「LINE(ライン)」のブロックをいじめと認定。学校側が自殺直後に作成した調査報告から「いじめ」の表記を市教委が削除させていたことも問題視した。

 第三者委の報告書によると、自殺した女子生徒は19年6月ごろから数カ月にわたり、ニックネームについてクラスの男子生徒4人にからかわれた。同年の夏休みには同じ部活動の生徒からLINEのメッセージ受信や通話を拒否され、これらの行為2件をいじめと認定した。

 生徒は頭痛や気分不良を訴えるようになり、部活動も退部。同年10月下旬以降は不登校になった。

 第三者委は、女子生徒からいじめの相談を受けた学校が、学年の教職員だけに任せ、組織的な対応ができていなかったと指摘。さらに自殺直後に学校側が作成した調査報告は当初、いじめがあったことを認める内容だったが、市教委側が「つらい思いをしていた」などと、「いじめ」という文言を使わないように修正させていたことも発覚。第三者委は「遺族の知りたいという思いに応えていない」と批判した。市教委は修正させた理由について「事前に学校からいじめがあったとの報告を受けていなかった」と説明した。

 学校側の調査報告を受けた遺族は、遺書に「なぜ死んだかというと、いじめがつらかった」と残されていたことなどからさらなる調査を要求。市教委は20年10月にいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定し、第三者委が調査していた。

 鯉渕信也教育長は「生徒の命を守れなかった。痛恨の極み。おわび申し上げる」と頭を下げた。

 一方、8日に記者会見をした遺族代理人の石田達也弁護士は「いじめ自殺という言葉はニュースを通じて耳にしたことはあったが、しかしまさか我が子に(起きる)とは夢にも思わなかった」と両親のコメントを読み上げた。そして「いつでもどこでも起こりうる典型的ないじめだ。それでも死に追いやられてしまった。軽視しないでほしい」と訴えた。【岡正勝、田中綾乃、宮本麻由】

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