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「一期一会」を大切に ミャンマー女性、老舗温泉旅館の総支配人に


 群馬県沼田市の老神温泉の老舗旅館「吟松亭(ぎんしょうてい)あわしま」=津谷弥(つたに・わたる)社長=の総支配人に、ミャンマー出身のヌンネイパーさん(31)が就任した。同ホテルで仕事を始めてから3年半で、フロント係から抜てきされた。「まだまだ足りない部分も多いと思いますが、どんどん勉強してリピートしていただけるお客様を増やしたい」と意気込んでいる。

 ヌンさんはミャンマー北部のザガイン地域の生まれで、少数民族のチン族。現地の大学で地理学を学んだ後、シンガポールの家庭で家政婦として働いた。その家庭が日本好きだったことが、来日のきっかけとなった。「日本の映像を見たり、子どもたちと一緒に簡単な日本語を学んだりするうちに興味を抱いた。本格的に日本語を勉強したいという気持ちが次第に強くなり留学を決意しました」

 2015年に来日し東京都内の日本語学校に入学。通訳・翻訳家を養成する専門学校に進学した後、静岡県内の旅館などで働き、コロナ禍の20年7月にあわしまに就職した。料理の配膳係、案内係、フロント係など一通りの仕事を経験した。

 総支配人への打診があったのは23年秋。「責任感が強く、どんなことでもやり遂げようとする」(津谷社長)という姿勢が見込まれた。だが、職責の重さから引き受けるのをためらった。「立場が人を作る。まずは引き受けてみては」。津谷社長からそう説得され、同年11月に就任した。

 ミャンマーの家族も突然の総支配人への抜てきは半信半疑だったという。「両親に知らせると最初は信じてくれませんでした。逆に『ちゃんと日本語でお客さんと話せているの』と心配されるほど」と笑う。

 明るく親しみやすい性格で、宿泊客がお土産を持参して再訪してくれたこともある。これまでは目の前の宿泊客に向き合えば良かったが、今は全ての宿泊客や従業員にも気を配り、館内全体を考えなければならない立場になった。

 好きな日本語は「一期一会」だという。「ミャンマーにも同じ意味を表す言葉があり、大好きな言葉だったので日本語学校に通っていた時に日本語ではどう言うのかを教えてもらいました」。その言葉を胸に総支配人として宿泊客を出迎えている。【庄司哲也】

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