欧州連合（EU）は19日、ブリュッセルで外相会合を開いた。会合には北極圏の刑務所で死亡したロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏の妻ユリアさんが参加し、EU外相らは哀悼の意を表明した。EUのボレル外務・安全保障政策上級代表（外相）は会合後に発表した声明でロシアに対し、ナワリヌイ氏の死亡状況についての「透明性のある国際的な調査」に応じるよう求めた。
ボレル氏はこの日、自身のX（ツイッター）にEU外相会合に参加したユリアさんと握手したり、並んで座ったりしている動画や画像を投稿。「ユリアさんが言ったように、ロシアはプーチン（露大統領）ではないし、プーチンはロシアではない。我々はロシアの市民社会と独立系メディアをサポートし続ける」とのコメントを添えた。ボレル氏は会合終了後の記者会見で「私たちの思いはナワリヌイ氏の遺族とともにある」と語り、ナワリヌイ氏の死に関するプーチン政権の責任を追及していく方針を示した。
EU外相らはこの日、ロシアがウクライナに侵攻を開始して以降13回目となる新たな制裁についても協議した。EUは侵攻から2年を迎える24日までの合意を目指している。
外相会合ではパレスチナ自治区ガザ地区情勢についても話し合った。ボレル氏によると、加盟27カ国中26カ国がイスラエルに対し、多数の避難民が滞在するガザ南部ラファへの攻撃を行わないよう求めることに同意した。反対した国は明かされていないが、ロイター通信によると、ハンガリーとみられる。【ブリュッセル岩佐淳士】
