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札幌・中1いじめ自殺 黒塗り報告書を見直し  教育長・校長ら処分


 札幌市の中学1年の女子生徒(当時12歳)が2021年10月にいじめ自殺した問題で、札幌市教育委員会は14日、「組織的対応の構築が不十分だった」などとして、生徒の小中時代の校長ら計7人を懲戒処分などにした。檜田英樹教育長は秋元克広市長から口頭厳重注意を受けた。いじめに関連し、札幌市教委が教職員を処分するのは初めて。遺族側が黒塗りが多いと批判した重大事態調査報告書も見直して再公表した。【高山純二】

 処分はいずれも13日付。小学6年生時の校長は「組織として事案認知の機会を捉えきれなかった」として、唯一の懲戒処分となる減給(10分の1)1カ月となった。このほか、小5と中学時代の校長2人が文書訓告、監督責任のある市教委の局長職ら4人が口頭厳重注意や口頭訓告などを受けた。

 女子生徒は小6時、校内アンケートでいじめの被害を訴え、担任教諭に自殺の意図を伝えたこともあった。すでに退職している当時の担任教諭について、市教委は「保護者との連携が不十分だった」などとして、文書訓告に相当するとの判断を示した。近く元教諭に判断を伝える方針。中学時代の教員については「複数で情報共有し、いじめ解消の対応をしていた」として処分は見送られた。

 また、プライバシー保護などを理由にいじめの主要部分など多くを黒塗りにし、遺族側に「再発防止が期待できない」などと批判されていた重大事態調査報告書について、市教委は「再発防止や全容解明への視点が不十分だった」などとして、黒塗り部分を見直した報告書を公表した。

 新たな報告書によると、女子生徒は自殺の数カ月前、SNS(ネット交流サービス)で他の生徒から「なんで死なないの」「なんで息してんの」など辛辣(しんらつ)なメッセージを受け取っていたことも判明。家族が先に気付いて削除したが、報告書は「当該生徒の人格を否定し、深く傷付けるような攻撃的かつ執拗(しつよう)なメッセージを受け取っていたと判断できる」として、いじめに当たると認定した。

 檜田教育長は「再発防止の取り組みに全力を尽くしたい。亡くなられた生徒のご冥福を祈るとともに、ご家族に重ねておわび申し上げたい」と改めて謝罪した。

両親になお不信感

 中1女子生徒の両親の代理人を務める生越照幸弁護士らが14日、記者会見を開き、両親のコメントを公表した。両親は再公表された重大事態調査報告書について、「かなりマスキングが外された」と一定の評価をする一方、「なぜ最初からこのように公表しなかったのか」などと札幌市教育委員会へ強い不信感をあらわにした。

 両親は「今回も私たちの意向に反し、学校の基本方針や組織体制などについて一部マスキングがされている」とも指摘。代理人弁護士によると、該当部分について、市教委は「学校の基本方針などの文言をネットで入力すると、中学校が特定される」などと黒塗りの理由を説明したという。

 さらに、両親は「娘が受けたいじめの内容は、本当にひどい内容だった。SOSのサインも学校に無視され続けた。いじめは、子どもたちを絶望の淵へと追い込むものだ。二度と起きないようにするべきだ」などと訴え、再発防止を求めた。

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