東京都千代田区発注の工事を巡る入札不正事件で、別の3件の工事でも入札情報を漏えいしたとして、警視庁捜査2課は14日、元千代田区議会議長、嶋崎秀彦（64）＝千代田区九段南4＝と、元区行政管理担当部長、吉村以津己（いづみ）（61）＝静岡県熱海市梅園町＝の両容疑者を官製談合防止法違反容疑で再逮捕した。
2人の再逮捕容疑は2020年6～7月、区立児童館の給排水設備改修工事など3件の一般競争入札に応札する業者名を、区内に事業所を置く総合設備会社「日管」（浜松市）の取締役だった男性に漏えいしたとしている。捜査2課は、2人の認否を明らかにしていない。
捜査2課によると、元取締役の男性は当時、十数社で構成する任意団体「千代田区災害対策管工事協力会」の会長を務めていたという。会員の業者が入札で有利になるよう、嶋崎容疑者に情報漏えいを働きかけていたとみられる。
捜査2課は協力会を中心に入札不正が繰り返されていた疑いがあるとみて、実態解明を進める。元取締役や漏えいを受けた他の会員業者については、公契約関係競売入札妨害罪の公訴時効（3年）がすでに成立している。
嶋崎、吉村の両容疑者は1月、区立小学校の設備工事など2件に関する入札情報を日管など2社に漏えいしたとして、官製談合防止法違反容疑で逮捕されていた。嶋崎容疑者は逮捕された日に区議を辞職した。【林田奈々、遠藤龍】
